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転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第10話 1人と1基

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10-4

 高速航路、それは広大な宇宙空間に整備された航路を作ろう、という無謀に思える計画。しかし、それを実現させたものである。


「プラズマ調整機とプラズマ推進機、そして宇宙を飛び回るプラズマ、この3つがあれば理論的には無限の加速が得られる。だが、速度が出れば出るほど、デブリの発見が遅れ、衝突の危険が高くなり、衝突時のダメージもデカくなる」


 ハロンナのブリーフィングルームでラハラが説明してくれている。


 新しい艦長の誕生、その興奮冷めやらぬうちに出港してから1日が経った。

 明日までにはニクトゲンと合流できそうなので、これから作戦の最終確認のブリーフィングが始まる。

 早めに着いたブリーフィングルームには既にラハラがいて、高速航路とは何ぞ、という俺の質問に答えてくれたのだ。


「この高速航路は探査ビーコンを一定間隔で置くことで航路上に危険物が無いかを見張ってくれている。だから安心して船体強度の限界速度まで出せるわけだ」


 一通り説明が終わったタイミングで扉が開き、リング状の揚げ菓子が乗った大皿を持つシシハナさんとアンビーが入って来た。


「お待たせ〜、お菓子作ってたら遅くなっちゃったぁ」


「これ凄く美味しいよ。まだ来てないのは代表だけだね」


 アンビーは出港してからというもの、どういうわけか凄く自由に過ごしている。例えばこの様にお菓子を作ったり、だ。イナリハ艦長時代よりものびのびとしているかもしれない。

 そんな事を考えているとコックピットで動体を検知。ここ数日の俺の悩みのタネだ。コックピット内に向けて喋る。


「また来たのか、ルナン」


「ここ、落ち着く。また私とお話ししてくれる?」


「これからブリーフィングなんだ。というか、君は出なくていいのか?」


 こくり、と頷くルナン。

 ブリーフィングルームの扉が勢い良く開かれる音が聞こえた。意識をそちらに集中させる。


「お待たせ!いやー、まいった。ルナンが見つからないのよ。いい加減自己紹介しろって言ってるのに!はぁ、まあいいわ。始めましょ」


 若干怒りながらそう言って、アンビー製お菓子を口に入れ、その美味しさに顔を緩ませた。


「代表はこう言ってるけど?美味しそうなお菓子もあるよ?」


 またこくり、と頷くだけ。いやー、まいった!

 代表がお菓子をよく味わい、飲み込んだ後、今後の作戦の概要を話し始めた。

 

 同艦隊の戦艦ニクトゲンを始め、各宙域の防衛隊は出現したアウターローバの艦隊をできる限り足止めしつつ、ドミトリアへ向けて後退している。第3部がビーチェ宙域の防衛線を構築する時間。そして第1部、第2部が防衛線に合流するまでの時間を稼いでいるのだ。そして、俺達もこれから足止めに参加することになる。ニクトゲンは現在4隻の戦艦に追われているらしい。


「いよいよ始まっちゃったんだね……」


「アウターローバと本格的な戦争状態に突入、だね」


「ニクトゲンの後退速度によってはそろそろ観測範囲に入ってくるかも〜。ラハラ隊のみんなはコックピット内で待機をお願いね」


 艦長アンビーから待機命令が下り、ラハラ隊の皆が格納庫にきた。あれ、今メイリアに入られるとまずいのでは?


「ルナン、早く逃げろ!メイリアが来る!」


 しかし、無情にもコックピットハッチが開いていく。ルナンは慌てる様子もなく、どっしりとメインシートに座っている。揚げ菓子を手に持ったメイリアが姿を見せた。


「えっ?あなた、誰!?」


「ルナンだよ。ここは私の席」


「はぁぁ?いきなり現れて、何言ってるの?どうなってるの、フィア!?」


「ちょっと説明させてくれ!」


 なんだなんだと騒ぎを聞いて駆けつけたラハラとシシハナさん、そしてメイリアにルナンが住み着いた経緯を説明した。


「ダッハッハ、フィアも隅に置けないな。それと、始めましてだな、ルナン。しばらくよろしく頼む。ほら、シシ、戻って待機だ。お前達もほどほどにな」


 人の気も知らないで状況を楽しみながら戻っていくラハラ達。


「フィアの優しさにつけこんだって事だね!この泥棒猫!!」


「それはあなたも同じでしょ。食いしん坊たぬき」


「た、たぬきぃ!?キーーーッ!!」


 メイリアが怒りの声を上げる。こうして、2人の出会いは最悪なものとなった。


「こら、ルナン何やってんの!もー、フィアちゃん、この子を甘やかしちゃだめよ!ほら、さっさと自分の機体に戻りなさい」


 ヨルカ代表から通信で助けが入る。俺からもルナンに懇願して、なんとか自分の機体に戻ってもらう。

 ルナンの機体。外されていた右腕が取り付けられていて、完全な姿になっている。いや、正確には右腕とはちょっと違った。肘から先がそのまま長身の銃となっているカスタム機。何故か腰からは尻尾のようなコードが垂れ下がっている。

 

 勝ち誇った顔のメイリアと共にカスタムパーツの制御プログラムをいじり始めたその時、警報が鳴り響く。


「え、もう?」


「予想よりはかなり早いな」


 つまりそれだけ状況が悪いという事だ。アンビーの館内放送が流れる。


「予想より早いですが、ニクトゲンを確認。本艦は高速航路を外れて、減速状態に入ります。各員、注意して下さい」


「お前達、減速が終わったら出撃だ。高速巡航形態でニクトの前にでるぞ!」


「ルナン、わかってるわよね!しっかり戦いなさいよ!ラハラ、ルナンを一時的にあんたの指揮下に置くわ」


「了解!」


「減速終了。ラハラ隊、出撃お願いします!」


「ラハラ・ラインラーク、出るぞ!」

「シシハナ、行きます」

「ルナン、クーリア・ファイアーワークス、出るね」


「行こう、フィア」

「ああ!メイリアとフィア、クーリア・オルタフェザー」

「行ってきます!」


 カタパルトで宇宙空間に飛び出す。背中のパーツ、フェザーユニットを展開。

 そのシルエットはまるで骨組みの羽だ。腕部用のスラスターユニットを加工して組み合わせたもので、背中から生える真ん中に関節のついた支柱。そこから同じく関節のついた3本のスラスターユニットがぶら下がるようにくっついている。カーテンレールのように支柱上を移動出来るので、使わないときはコンパクトにまとめておける。

 そして、ただスラスターユニットを増やしただけではない。噴出したプラズマを干渉させる事で磁場を生成。そこにさらにプラズマを噴出する事で爆発的な推進力を得ることが出来る。

 たが、この前の訓練の時のように制御がかなり難しい上に、爆発的な推進力が暴発する可能性もあるため、今回はリミッターを付けた。


「メイ、自慢の翼で先に行ってニクトゲンを援護しろ。新型の敵もいるらしい、無理はするな」


「了解!」

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