表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第9話 宇宙と解放

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/100

9-4

 威圧感のある重い銃声が鳴り響く。ルナンの狙撃だ。二丁の異なる狙撃銃を使っている事が音紋からわかった。


 真正面からのぶつかり合い。互いの武器が擦れて金属が嫌な音を立てる。

 刃の部分がゆるい円弧を描いている曲刀。ダガーでの受け止める角度と力加減を間違えれば、すり抜けられてしまいそうだ。 


「フィア、警戒しておいて!」


「ああ、そうだな」


「何を?どゆこと?」


 力比べの最中、カラスエンブレムの敵機をよく分析する。カスタムしていないノーマル機のように見える。だが、よく見ると腰の後ろがノーマル機と比べて大きく膨らんでいる。前回の逃走時に使った目眩まし袋をぶら下げているから余計に分かりにくいが、何かを隠しているに違いない。


「曲刀なんて癖のある武器チョイスといい、前回の戦い方といい、こいつは搦め手が好きなタイプなんですよ、ヨルカ様」


「つまり、何かを仕掛けてくる可能性が高い」


「ほ〜、なかなか冷静な分析じゃない」


 こいつが真っ向からのぶつかり合いを挑んでくる事に違和感を覚えた。この間のIFF偽装のように何か企みがあるに違いない。


 均衡を破ったのは向こうだった。

 押し退けるように両腕で力をグッと加えてきた。それに応えるようにこちらも力を入れるが、その力を利用するようにして後方に大きくバックステップ。曲刀を胸の前で交差させ、スラスターで勢いをつけて走ってくる。

 

 今の装備ではあの勢いを受け止める事はできない。急いでコンテナの上に向かって跳躍する。だが、動きを読まれていた。カラスも走りの勢いを活かした跳躍、からの回転斬り。身をよじり回避するが、腰のエネルギータンクを斬りつけられた。

 バシューとすごい勢いでプラズマの素となる気体が漏れ出す。非可燃性だから爆発の心配はないけど漏洩する気体の力でバランスを崩してコンテナに着地。急いでタンクを切り離す。


「ほらほらぁ、動き止まってんぞッ!」


 同じコンテナに着地したカラスが回転斬りの勢いを活かした回し蹴りを繰り出す。

 両腕をクロスさせガードするも大きく吹き飛ばされ、俺達がいた格納庫の入口近くの地面に落とされる。タンクを失ってエネルギーを節約したいのに落下の衝撃を減衰させるためにスラスターを思いきり吹かす。さらに素早く体制を整えるために追加で消費。


「くそっ!普通に強い!」


「腐っても護衛官、だね…!」


 また曲刀をクロスしての突進。だが今度は距離がある。サブマシンガンを手に取り射撃。


「えっ!?」


 メイリアの驚いた声。俺も何が起こったかわからなかった。

 相手はずっと両手に曲刀を持っていた。だがサブマシンガンを構えた直後、銃口めがけて目眩ましの入った袋が投げつけられていた。

 発射の停止が間に合わず、袋を撃ち抜く。粉が飛散し、少し機体にも降りかかる。


「プラズマを使うな!」


 ヨルカ代表が叫ぶ。だが遅かった。バックステップするために使ってしまった。

 スラスター用のスリットで小さな爆発が起きる。

 

 ―全スラスターユニット損傷

 ―スラスターユニットの機能停止により姿勢制御プラグラム作動不可


 警告文がメインモニターに表示される。


「プラズマに反応する粉だったの!?そんなの聞いたことないよ!」


「落ち着け、メイリア。姿勢制御は俺が自力でなんとかする!」

 

「ルナン、援護…」

「「いらない!!!」」


 俺とメイリアによる否定の唱和にヨルカ代表がぽかんと口を開ける。

 粉の飛散が収まるのを待っているカラスに通信を繋ぐ。


「これだけの実力がありながら略奪やら破壊活動やら。使い道を間違えすぎだよ!恥ずかしくないのっ!?」 


「ハハッ、なんだそれ?命乞いか?ヨルカ共々消せるなら消せと言われてるんでな。俺個人としてもお前が苦しんで死ぬのが楽しみでなぁ」


 凄まじくイラッときた。

 

「メイリア……、思いっきりぶん殴ってやれ!!」


「ええ、そのひん曲がった根性、叩き直してあげるよ!」

 

 腰の残りの1つと肩の2つのエネルギータンクをパージ。身を軽くして格納庫の中へと入る。


「わざわざ自分から仲間の援護を断つなんて馬鹿なや……」


 うるさいので通信を切る。また曲刀を交差して構え、走り出す。粉の飛散が落ち着いたのだ。


「さっきから何故か銃を使わないな」


「きっと決定打として温存してるんだね。さっきの袋攻撃で何を隠してるのか分かっちゃった」

 

「ふふ、俺もだよ」


 さっき切り離したタンクをサブマシンガンで撃つ。カラスと俺達の間の地面で3つのタンクが暴れ始める。止まる事も出来ず、それを走り幅跳びのように飛び越えるカラス。サブマシンガンでそこを狙い撃つ。

 銃口を向けられ空中で無理のある回避行動をとったため、片手を着きながら着地。そこに向かって距離を詰め、インファイトへ持ち込む。


 相手が上体を起こすより早く顔面に膝蹴りを入れる。

 頭部が火花を上げながら体から離れ、千切れたケーブル類が乱舞する。

 頭部が無くなっても視界が完全になくなるわけではない。各所のサブカメラの映像から曲刀によるX字の振り下ろし攻撃を繰り出してくる。


「やはり左右対称の攻撃。カスタムによる操作の煩雑かを誤魔化した結果か」


 機体の操縦性を保ちつつ、隠し玉と二刀流を成り立たせるために片腕の動作を反転させて数秒のラグを持たせて同期させている。今までの攻撃を分析した結果だ。そして、その結果から攻撃のタイミングを予測する。二刀がクロスする一点を右手のダガーで抑え込む。腕と関節が悲鳴を上げている。もうちょっとだけ耐えてくれ!

 左手でサブマシンガンを構え、カラスの腹の横に向ける。


 相手の腰の後ろから2つの細いアームが展開される。そう、こいつの隠し玉こと、隠し腕だ。マウントしてあった銃を取り脇腹の横で構える。


「みえみえっ!」


 向かって右の隠し腕をサブマシンガンで破壊。ダガーの力を弱めると同時に、身を屈めてそちらへと回り込む。

 ナックルガードを展開。振り下ろされる左肘に右フック。関節が曲がってはいけない方向に曲がり、血飛沫のように油が飛び散る。

 さらに脇腹に左フック。カラスがよろめいた所へ膝裏への蹴り。ドスンと膝をついた。

 右肩関節にダガーを刺し、残っていた隠し腕を掴んでへし折る。

 無理やり通信が割り込んでくる。


「ハハッ、俺の負けだな」


「あなた、お喋りが好きだね。命までは取らないから、じっくり反省してね」


 正面に回り込んで腹部にきつい一発を入れて、メインバッテリーを破壊した。


「はぁ、ひとつ、いい事を教えてやるよ。アインズ代表はもとから俺達がお前らに勝てるとは思ってなかった。まぁ、部隊同士での戦闘の話だがな。孤立してツイてると思ったのに、1機にやられるなんて思ってもみなかったぜ」


「あんた達何が目的なの?せっかくカワイイ女の子がお喋りしてあげてるんだから話しなさいよ」


「あぁ?心配するな。もうすぐわかる」


 いつの間にか外も銃声が止んでいる。別の通信が入った。


「フィアさん無事ですか?メイリアちゃんも?ヨルカちゃんも??」


 ラブラリイ代表だ。相当焦っている。


「みんな無事ですよ。基地の状況は?」


「武装勢力は投降を始めました、が大変です。アインズが星団中に向けて声明を出しています。これをご覧ください!」


 生中継の映像が送られてきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ