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転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第8話 海と約束

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8-2

 こっちは左手で銃を腰溜めで持ち、右手でダガーを構えた状態。敵は大太刀の刃を上に向け、切っ先は地面に着けた状態で止まっている。

 

 ―――睨み合いが続く。

 

 緊迫した空気によって時間が圧縮されたかのように、1秒がとても長く感じる。

 誰も喋らない。離れた所での戦闘の音だけが聞こえる。

 このまま援軍が来てくれれば、と思う。


 そんな思いを嘲笑うかの様に敵が動き出す。

 切っ先を少し浮かせ、スラスターを瞬間的に強く吹かし、一足で間合いを詰めてくる。

 ダンッ!と地面を踏みしめる音と共に斬り上げを繰り出す。

 こちらも動きを察知した瞬間にバックステップ。1度では足りず2度目で間合いの外へ。機体の数センチ先を切っ先が通り過ぎる。

 振り上がった切っ先をそのまま切替し、メインスラスターでの加速を着けてさらに踏込み。腕部スラスターの勢いを乗せ、真っ直ぐに振り下ろしてくる。

 角度をつけたダガーの腹で左手側に受け流す。大太刀が地面を抉る。ダガーも大きく欠けてしまった。流しきれなかった衝撃でこちらの関節にもダメージが蓄積した。

 

 腰溜めした銃を敵の眼前につき出すようにしてトリガーを引く、その直前、腕のスラスターを180度回転、腕部スラスターの推力と全身のモーターを駆使して大太刀を振り回してくる。

 銃身を盾にしつつ衝撃を受け流す様に右後ろに跳ぶ。幸い、刃が立っていなかったので斬撃にはならなかった。それでも凄い衝撃だ。銃がひしゃげ、機体が吹き飛ばされ、地面に倒れた。コックピット内で悲鳴が上がる。


 敵が大太刀をゆっくりと振りかぶる。また踏み込んで来ようとしている。

 機体の上半身を起こし、固定機銃で振り上げた右手の肘にピンポイントで撃ち込む。敵の右腕が、力が抜けたかのようにガクンッと下がる。さらに同じように膝に追撃する。

 ドンッと敵機が地面に膝をつく。


 パラシュート降下を断念しての強行着陸。強化もしてないノーマルクーリアで重量のある武器の無理な振り回し。

 関節やモーターに過度な負荷がかかっていないわけがない。それらの疲労を固定機銃を撃ち込む事で爆発させたのだ。


 素早く立ち上がり、腰にぶら下げていたもう1つのダガーを手に取る。なんとか大太刀の振りかぶりは維持しているものの、立ち上がれずにいる敵機に慎重に近づき後ろへ周り、腹部のバッテリーめがけ、ダガーを突き刺した。





 電力が無くなり、地面に突っ伏しているエンブレム機を見張りながら援軍を待つ。

 ラハラ達も無事に勝利し、こちらへ向かっているとの事だ。


「各エリア、騒乱が収まりつつあるそうだよ。私達を狙うためだけにこんな大規模なテロを行うだなんて信じられないね」


「それほど確信に近い情報を我々が持っている、と敵が思い込んでいるんだね」


「アマナ星圏防衛部、アインズ代表に繋がる情報ねー。情報を餌に確証を釣る作戦、なんだかんだ上手くいってるけどかなり危ないよね」


 そう、今回の俺達の敵は100番台部隊、通称1部の代表、アインズ・ハイドレンジア。

 そして、このエンブレム機はアインズ直属の4人の護衛官の1人であると思われる。

 ドミトリアへの航路で襲ってきたあの小悪党。入手したパイロットデータを照合した結果、あいつも護衛官の1人であった。

 以前より確認されていた反乱組織『ハンタース』所属の4機のエンブレム機。その戦闘スタイルの特徴も護衛官達と一致している、というルーデルさんの話もあり今回の作戦が計画された。


 俺達が、というより俺がAI人類としての特殊能力を活かしてアインズへと直接繋がる情報を手に入れた。というデマ情報をハンタースへと流し、護衛官を誘い出して捕まえ、アインズへと迫る。そういう作戦である。ランさんが出撃に同行したのもそういう経緯だろう。

 しかし、街中にいるメイリア達を狙うためだけにここまで大規模なテロを行うのは予想外だった。保有戦力の大半を投入したのではないだろうか。だが、それほどまでに俺達を消したがっているという事だろう。


 ラハラ達と無事に合流。シシハナさんとアンビーをラン機、ラハラ機にそれぞれ乗せ換える。その間にメイリアはようやく着替えを済ませメインシートへと座る。なんだかとても落ち着く。

 

「バイタルチェック、正常。怪我も無いようで本当によかった」


「ふふ、そういうこの機体は関節ダメージが大きいね。かなり跳び跳ねたでしょ」


「お二人さん、俺はアンを連れたままだが防衛隊と一緒に街と警備隊の損害状況の調査に入る。姫さんはこの無様な敵を拘束してから基地へ運ぶから遅くなるとの事だ。先に基地に戻って休んでていいぞ」


 街中での大規模戦闘は後処理も大変である。今更だが防衛隊は連合軍の所属、警備隊は街の自警団体という事らしい。

 ランさんは監査部として直接敵を輸送したいのだろう。敵機の手足を切り離してからワイヤーフックで縛って運ぶみたいだ。


 すっかり静かになった夕暮れ時の商業エリアをメイリアと2人でゆっくり歩く。所々戦闘の痕跡があるが、このエリアは損害が少なそうだ。


「このお店で朝ご飯食べたんだよ。あ、こっちのお店でアンビーちゃんが可愛い服を買ったの。あれはアンビーちゃんの為にあるようなお洋服だったなぁ。そっちのお店はシシハナさんお気に入りのカフェでね、休養期間の度に来るんだって。朝食食べたばっかりなのにシシハナさんてば、山盛り生クリームのパンケーキを1人で全部食べたんだよ。私はアンビーちゃんとシェアして食べたの。美味しかった〜。あ、あそこの水着屋に荷物預かって貰ってるの。後で取りに来なくちゃ」


「ふふ、なんだかんだショッピングは楽しめたようでよかった」


「何言ってるの!まだまだ足りないよ!……」


 少しの沈黙が訪れる。


「ねえ、フィア。ちょっと海を見に行かない?」

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