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転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第7話 地上と重力

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7-5

 メイリア達はこの海岸からすぐのビジネスエリア、いわゆる高層ビル群を抜けた先のショッピングモールや飲食店街がある商業エリアで襲われ、隣エリアの港に逃げ込んだらしい。


 海岸の戦闘は警備隊に任せて俺達はビル群へと入っていった。

 海岸の騒がしさが嘘のようにこの辺りは静まり返っていて、ダッダッダッと3機が軽快に走る音だけがビルに木霊して響いている。


「このルートを行けば直接港エリアに出られるわ。みんな、タンクとバッテリーの容量は大丈夫?私は両方60%切ったところ」


「タンク68%、バッテリー81%です」


「さすがだなフィー。いいペース配分だ。俺はタンク63%、バッテリー76%だ。これだけ残っていればあと半日は戦える」


 ランさんだけ減りが早いのはカスタムによる燃費の悪化のせいなのだろう。

 

 ちなみにバッテリーは機体本体を動かすためのバッテリーの事である。宇宙ならプラズマ制御の過程で電気エネルギーを得られるので気にした事がなかった。


「警備隊から連絡だ。今度は港エリアに敵が集結してる、との事だ。俺達への足止めが失敗したから焦り始めたんだろうな。ん?待て、銃声だ」


 俺にも聞こえた。ヴゥーと低く唸るような銃声と共に大量の薬莢が落ちてぶつかり合う金属音が聞こえた後、何かが倒れる音がした。

 明らかに戦闘の音だ。音響解析にかける。


「音響を解析。完全にルート上。大通りの十字路で港へ向かう機体を待ち伏せしてると思われる。この音はガトリング系か?」


「そう簡単に行かせてはくれないか。他のルートだと遠回りすぎる。押し通るしかないな」

 

「望むところ、と言いたいけどガトリング相手じゃ分が悪いわね。この盾でもあっという間に削られるわ」


「こういう作戦はどうですか?」

 

 待ち伏せしているであろう大通りに合流した。交差点のビルの影から覗いてみる。3機のグレインがいる。2機はアサルトライフル、1機は地面に設置したガトリングを構えている。あ、やばい、こっちに銃口を向けてきた。銃口の束が回転を始める。急いで頭を引っ込める。

 ガトリングの唸りとともにビルの外壁がごりごり削られていく。


「思ってた以上に強力な銃撃ね」


「他のプランを考えるか?」


 通りで無惨な姿になっている警備隊の機体が視界に入った。俺もああなるかも、という恐怖、だけどそれ以上にメイリア達への心配と敵の暴力に対する怒りが込み上げる。


「いや、行きます。メイリアたちが待っている」


 海岸でのラハラの要領で斜め向かいのビルの外壁に向かって大跳躍。窓枠に手と足を掛けて飛びつく。

 大剣が重い。思ったより高さが出なかった。唸りと共に火線が追いかけてくる。外壁も軋んでいる。早く離れなければ。

 壁を蹴り、スラスターを全力で駆使してさらに向かいのビルに飛びつく。

 この距離なら行ける!

 

 ラハラとランさんがビルの陰から出てきて援護に入る。AR(アサルトライフル)持ちの2機が応戦する。ガトリングの火線は相変わらず俺を追いかけている。

 跳躍。ガトリング持ちの真上へと辿り着く。大剣を手に取り切っ先を真下に向ける。自由落下+スラスターでの加速。


 金属のぶつかり合う金切り音、ひしゃげる鈍い音、そして盛大な火花を散らしながら、大剣が半ば敵機を潰しつつ突き刺さった。


 近くにいた2機がすぐに跳躍しながら距離を取る。こいつら、海岸の奴等とは動きが違う。シャトルを襲っていた奴等と同じ組織だろう。

 だが、俺の仲間も二つ名持ちのエースだ。


 俺の2度目の跳躍のタイミングで大盾を頼りにすでに距離を詰め始めていた2機。アサルトライフルの弾など弾きつつ突進していた。

 

 敵機が俺から距離を取ったのを合図にラハラ機がラン機の影から飛び出てくる。跳躍の着地を狙いメイスを胸部に叩きつけた。ひっくり返るようにして敵機が地面に倒れて動かなくなった。

 

 ラン機も同じように着地した瞬間の敵機に、盾の先端に付いている固定用スパイクをお見舞いした。

 腰を中心にした機体の捻りによるバネの力+強化した腕の力+火薬によるスパイクの押し出し、これらの力により敵機が粉々と言ってもいい形で吹き飛んだ。


 戦闘の音を聞きつけたのか、さらにグレインとホワイティスが姿を表した。

 

「行け、フィー。ここは俺らで食い止める。あいつらはコンテナ庫にいるらしい。頼んだぞ!」


「この程度の敵、古い名(オールドネーム)を持つ私達には物足りないくらいよ」


「ふっ、いい呼び名だな、オールドネームか……」


 目前の敵など眼中に無いかの様にすごく浸った感じにラハラが言った。

 

「なんだか余裕そうなので行かせて貰います。あとはお願いします!」


 大剣が使い物にならなくなったのでガトリング持ちが装備していたダガー2本を貰って走り出す。



 ビル群を抜けて港へと出た。そこかしこで銃声が聞こえてくる。

 近くの倉庫に飛び乗り、辺りを見回す。


 あった。コンテナが迷路のように積み重なっている所を発見。

 急いで向う。しかし、コンテナ庫のエリアは結構広く、どこにいるのか検討もつかない。

 外部スピーカーを最大出力にして叫ぶ。


「メイリアー!!!」


 あまりの音量のせいか、一瞬銃声が止む。しかし、すぐに喧騒が戻る。


 パンパパパン


 聞き覚えのあるリズミカルな銃声。立ち止まり、辺りをより注意深く観察する。


 パパパンパパパン


 見つけた!

 コンテナ庫から空に向かって火線が上がったのを観測した。

 

 メイリアがいるその地点へと全速力で向かった。

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