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「ヨルカ代表……だと?」
「外縁宇宙防衛部って俺達の部隊の所属している所?」
「ああ、そうだ。400番台部隊。通称4部とも言う。」
「ちょっとー、呑気に説明してる場合じゃないでしょ〜。私はもう避難するからね!頑張ってねー」
ヨルカ代表、なんというか騒がしい感じのまだ若々しい雰囲気を醸し出している声だ。声だけ聞くとメイリアと同年代なんじゃないかと思えてしまう。
「ある意味で凄い人だと聞いていたけど、本当に凄いな……」
「通信で聞こえてるわよ!ラハラ!減給!!今度の会議で会話記録と行動記録使うかもしれないからそこのとこ、よろしく!」
ラハラがグッと言葉を飲み込んでいるその横で、実弾のアサルトライフルと大剣を装備しながら通信を聞いているであろう代表に向かって言った。
「代表、行かせてくれてありがとうございます」
「なーに、いいのよ。フィアちゃんには期待させてもらってるの!カッコいいところ見せて頂戴ね〜」
「了解です!」
地上では使えないので格納庫の隅に置かれているハイブーストとオルタバレルが視界に入る。メイリアとの日々が思い出され、とてつもなくメイリアと会いたくなる。どうか無事でいてくれ。
地面を踏みしめながら格納庫を出てカタパルトへ向かう。街の方の空に向けて60度くらいの傾斜をつけたカタパルトがズラリと並んでいる。
別の格納庫から出てきた防衛隊の機体達が次々とそのカタパルトの前で列を作っていた。
街と基地を繋ぐ連絡橋は封鎖。向こうに渡るには海を超えなければならないが、海岸線沿いには多数のホワイティスとグレイン、そして武装車両がこっちを見ている。
「彼らは出撃しないのか?いや、出来ないのか」
「ええ、街の警備隊が着地地点の安全を確保するのを待っているそうよ。私達はどうする?隊長さん」
「もちろん待ってなんかいられない。悪いが姫さん、一番手に飛んで盾になってくれ」
「だと思った。ふふ、たっぷり暴れてあげるわ」
そう言って迷いなくカタパルトに乗った。ランさんの装備は前と同じ大型の盾とサブマシンガン、それと小型のナイフだ。
「頼もしいな、まったく。しかしまいったな、軍用回線が混乱しててシシ達に連絡がつかん。大丈夫さ、フィー。あいつらもそう簡単にやられるタマじゃない。」
ランさんの隣のカタパルトへと機体をセットしながら落ち着いた声で言った。
ラハラだって彼女達が心配なのは同じはず。でもそれを全く表に出さない心の強さが感じられる。俺も見習わなきゃな。
ラハラの陸戦仕様装備は連射速度はないけれど、一発の威力が大きいライフル、それと棒の先端に球がくっついているメイスだ。
心を落ち着かせたい。深呼吸をしたいくらいだ。メイリアが心配でたまらない……。今朝の事を謝りたい。
そうだ、メイリアに会ったらまず謝ろう。あんな事で口論になるだなんて今になってみれば笑えてくる。ああ、朝の出来事をネタにしてメイリアといっぱい笑おう。彼女が待ち焦がれていた海辺でいっぱい話しをしよう。
「ふー、まずは……、みんなと連絡がつくまで着地地点付近の敵を無力化だな」
機体をカタパルトに乗せる。いつの間にか心は落ち着いていた。どんな障害があろうとも探しだして辿り着いてみせる。
「ああ、そうだな、蹴散らしてやろう。各機、2秒間隔で発進だ。着地時の硬直に注意しろよ」
「了解。ランフェンでクーリア・オグレス、発進します!」
「ラハラ・ラインラーク、出るぞ」
「フィア、クーリア陸戦仕様、行ってきます!」
カタパルトに放り投げられるようにして青空へと飛び出す。
前方ではすでにランさんが空中で集中砲火を浴びている。盾に隠れるようにして切り抜け、スラスターを吹かしながらビーチに着地。
着地と同時に盾を砂浜に突き刺し遮蔽にし、すぐさま腰のフックを近くにいたグレイン2機に撃ち込み、1機は引き寄せてナイフで無力化。そのまま首根っこを掴んで盾代わりに。もう1機はそのまま腕力に物を言わせて敵の密集地点へと放り投げ、混乱を巻き起こす。
そのタイミングでラハラも着地。
遮蔽の無いビーチなのでランさんの盾に隠れながらライフルを一発一発、確実に当てていき数を減らしていく。
スラスターを吹かし、砂を巻き上げながらラハラの後ろに着地。
倒した側から新たしい敵がやって来ている。ここに集まってきているみたいだ。だが統率が取れている様子も無いし、射撃も下手、動きも素人っぽさがある。
「露骨に俺達狙いだな。フィー、俺と姫さんで突破口を作る。そこから切り込んでビーチを出るぞ。ビル街へ移る」
「了解!」
ラン機が盾を手に取り、大地を震わせながら走り出す。その後ろでラハラ機が跳躍して射撃。
「俺はあのビルの上を陣取る。力を貸してくれ」
「ええ、わかったわ」
盾を空に向かって構え、そこにラハラ機が着地。
俺は一連の流れをアサルトライフルでカバーしながらチャンスを待つ。
ラハラ機を押し出すように盾から放り出す。タイミングを合わせて盾を蹴り、スラスターを全開。大きく跳躍しながら下方の敵を狙い撃つラハラ。
多数の敵が上空のラハラへと銃口を向ける。今だ!
大剣を手に取り、メインスラスターを思いきり吹かす。砂浜を滑るようにして一気に敵群へと距離を詰める。
姿勢を低くして敵機の膝下を狙って大剣を振り回す。
剣といいつつ、実際は鈍器みたいな物だがALOFの手足を叩き折るには十分過ぎる武器だ。
宇宙とは違って、足をやられれば実質行動不可能。無力化するなら地上の方が楽だな。
敵達が今度は俺に銃口を向けてくるが、付近で一番高いビルに着地したラハラからの狙撃。ランさんのワイヤーフックとサブマシンガン。そして、駆けつけてきた街の警備隊によって次々と倒されていく。
「よし、この辺りは片付いたな。そして朗報だ。アンと連絡が取れた。3人とも無事。だいたいの位置も分かった」
「よかった……。急ごう!」




