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転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第7話 地上と重力

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7-3

 朝、メイリアと喧嘩した。

 

 些細な事から口論になり、メイリアは荷物を持って出掛けて行ってしまった。

 ベッドのサイドテーブルに置かれた個人用携帯端末は持たずに、だ。


「だっはっはははは」


 機体の置かれてる基地の格納庫で途方に暮れていたら、ラハラが入ってくるのが見えた。

 外部スピーカーで声をかけて状況を簡単に説明したらこの爆笑っぷりである。


「いや、そんな笑わなくても。はぁ、まったくメイリアには困ったもんだ。シシハナさんかアンビーに連絡して携帯だけでも取り来るように言ってくれないか」


「連絡ならアンからすでに来てたぞ。携帯を忘れたのはわざとじゃないらしい。まあ、何かあったら2人を通じて連絡すればいい。今から戻らせるのも可愛そうだろう」


「あら、優しい隊長さんね」


「あ、ランさん」


「ごめんなさいね、話しが聞こえてきて、気になって来ちゃった。私もショッピングに同行させて貰えばよかったわ」


「ルーデルさんの警護は大丈夫なんですか?」


「昨日、信頼の置ける補充要員が来たから私は生身の警護担当から有事の際のパイロット要員に戻ったの」


「なんだ、そうだったんですか。メイリアが誘いたがってましたよ」


「ふふ、そうなの?ありがとう。それと隊長さん、そんな申し訳無さそうな顔しないで下さいよ。軌道上での私の仲間の件は仕方のなかった事」


 補充要員と聞いてラハラの顔が曇ったのだ。


「ああ、ありがとう、逆に気を使わせてしまったな。しかし、『剛腕の戦姫』とご一緒出来るとは思わなかったよ」


「懐かしい名前ね。そういうあなたは『ラインラークの亡霊』でしたっけ?」


「ははっ、今になって呼ばれると恥ずかしいな」


「なんですか?二つ名?」


「7年ほど前に流行ったんだ。そこそこ腕の立つパイロットにあだ名を付けるのがな」


「まだ20歳にもなってない女の子に剛腕なんて失礼よね。あ!歳は計算しないでよ?」


 なるほど、おそらく25歳前後だろう。

 おっと、こんな事考えてるのがメイリアにバレたらデリカシーが無いと言われてしまうな。


「ランさんの由来は機体を見ればわかりますけど、ラハラはなんで亡霊?」


「あー、ラインラークってのはな、俺が育てられた戦争孤児達用の軍立学校の名前なんだよ」


 ランさんが少し深刻な顔になる。亡霊というからにはそこで何かがあったのだろう。

 まずい事を聞いたかな……。


「ちょうどいい、メイがいなくて暇してるだろうから俺の話をしよう。前に俺にも能力があるって話しが出たのを覚えているか?」


「ああ。シシハナさんの話の時にチラッと話題に出たな」


「アマナ軍立ラインラーク軍事養成学校。表向きは戦争孤児を集めて軍人としての英才教育を施すための学校だ」


 表向きだけでもいろいろヤバそうだけど、アマナ星はもともと軍事主義的な星だと聞いたことがあるので、受け入れられていたのだろう。


「で、裏では能力拡張実験。つまり人体実験に近い事を行っていたんだ。俺もその被験者の1人。空間認識能力の拡張と思考加速用自己暗示が頭の中に施されている」


 戦域全体を把握しているかのような動きと危険度の高い敵を瞬時に判断する思考。そういう事だったのか。

  

「ただ、俺はそれを恨んじゃいないぜ。拾われなければ野垂れ死にしてたからな。俺が亡霊を名乗ったのはビーストル至高派によって学校が襲われ、壊滅したからだ。故郷を焼かれたようなものだ」


「その事件よくは覚えているわ。反乱組織が大きく問題視されるようになった事件で、連日大々的に報道されていた」


「ラインラークの名を聞いて仇が向こうからやって来てくれれば、と思って名乗ったわけだ」


 当たり前の事だけどみんな過去があり、戦う理由も様々なのだ。ラハラが艦長と共に反乱組織討伐に力を入れているのもそういう理由が大きいのかもしれない。


 ふと、メイリアが小さい頃の話をしてくれる、と言っていた事を思い出した。アウターローバの巣を探索したその帰り道だ。

 その後、レッドアイの襲撃やラハラ達に存在がバレた騒ぎですっかり忘れていた。

 

 ……帰ってきたら聞かせてもらおう。


「ちょっと待って。隊長さん、あなたもしかして……」


「な、なんだ?」


「自分から『ラインラークの亡霊』を名乗っていたの?」


「い、いいじゃねぇか!」


「ふふ、カッコいいじゃない、ね?亡霊さん?」


 ランさんがラハラをからかっていると警戒警報が鳴り出す。

 ランさんが小型ヘッドセットに手をあて何やら話し始めた。


「街に反乱組織が現れたそうよ。この頻度、タイミングから見てあの子達を狙っている可能性が高いわね。私も出撃許可が降りたから同行するわ」


「よし、急ぐぞ。姫さん」


「ちょっ、何それ。まぁいいわ。フィアは悪いけど待機ね。さすがにAIだけで出撃は……」


「なっ、そんなこと言ってる場合じゃ……」


 言葉を遮るように格納庫内のスピーカーから声が流れた。


「到着そうそう敵襲とは騒がしいわね〜。あー、あー、聞こえてるー?フィアちゃんも出撃して良し!だよ。この私、外縁宇宙防衛部代表、ヨルカ様直々の許可なのだ!」

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