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転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第6話 アメとムチ

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6-5

 敵の動きはまさに三位一体だ。

 三角形の陣形でお互いの距離をほぼ一定に保ちつつ、同じ標的を狙う。

 標的を陣の中心に据えるように動くため、狙われた機体は3方からの射撃を受ける。これの回避が難しいのだ。

 

 今まさにラハラに対しての多方向からの集中砲火が行われていた。ラハラはなんとか被弾なく、回避に成功している。


「ラハラに気を取られているうちに回り込んで斬り込もう」


「待って!シシハナさんが既にやろうとしてるよ!」


 大きく回り込み、敵の側面を取る様にして近づくシシハナ機。高速で接近しながら敵が射程に入るやいなやライフルを構えた。

 だが、そのタイミングで敵3機が狙いをシシハナ機へと変更した。すぐさま陣の中心に据えられ、3軸からの集中砲火が始まったが、例の第六感が働いたのだろう、砲火の直前に急制動からの宙返り、攻撃は諦め複雑な回避行動に入っていた。


 俺達もただ見ているわけにはいかない。オルタバレル単発モードで射撃の邪魔をする。ラハラも俺達に合わせて同じ敵を狙う。

 目論見は成功し、射撃の手が緩み、陣が乱れた。その隙にシシハナさんは一気に加速、陣の中心から抜け出す。


 片手でライフルを撃ちながらラハラがハンドサインで作戦を伝えてきている。

 

「この状況であれは行けるのだろうか?」


「う〜ん、でもこのままだとみんな疲弊して各個撃破されちゃうかも」


「確かにな。あれが打開策、というわけか」


「ふぅ〜、行けるかな、ううん、行こう、フィア!」


「オーケー!メイリア!」


「あ、それ私のセリフ!」


 メイリアも当然緊張している。心拍数、体温ともに高めだ。だけど以前のような異常値ではない。こんな強敵達を前に軽口も言えるんだ。この子は成長している。

 

 重力センサーの反応が強くなっている事に気づく。

 シャトルは襲われながらも大気圏突入ルートを変えずに進行中。そのシャトルについていくように戦闘を行っていたんだ。こちらの高度も下がっているのは当たり前だった。


「大気圏が近い。気をつけよう」


「ふふ、オーケー!!フィア!」

 

 全力推進で敵のエンブレム機へと向かう。さっそく俺達を陣の中心に据え、揃ってライフルを撃ち始める。さらに撃ちながら俺達を閉じ込めるかのように三角形を狭めてくる。近接狙いを悟られたか。だけどそれもまたこちらの狙い通りである。ハイブーストの推力を駆使し、陣の中心に捉えられないよう機動しながら接近する。

 

 正面にいるエンブレム機。距離が近まり、そのエンブレムがハッキリと見えてきた。悲しそうな狼の顔の上に2本の西洋風の剣でバツが描かれている。

 なんとなく伝わってきた。アマナ至上派、ビーストル人を狩る者とでも言いたいのだろう。


「私はこのエンブレム付きに集中する!他の2機を注視お願いね!」


 集中砲火をなんとかくぐり抜け、右手にオルタバレル、左手にダガーを持ち近接戦闘の範囲内に滑り込む。


 流れるような動きでソードに持ちかえ斬りかかってくる。それを一旦、ダガーで受け止める。


 それぞれの刀身を形成するプラズマの束。それらが生み出す電磁界が反発。まるで鍔迫り合いのような状況になる。反発で弾かれたプラズマが火花のように散っていく。


「メイリア、2機が撃ってくる。この体勢のままじゃ回避は難しいぞ!」


「大丈夫、二人がいるからっ!」


 射撃体勢に入る敵機を狙ってビームが飛んできた。正確なその攻撃は射撃を中断させて回避行動に移させる。合流した2人がいつものように連なって飛びながら圧を掛けてくれている。

 2人がいい位置に来たタイミングで鍔迫り合い中のダガーをオフにして刀身を引っ込める。エンブレム機は急に張り合う相手がいなくなったため、前のめり気味にバランスを崩し、ソードが空を切る。

 しかし一瞬で体勢を立て直し、ソードでの切り上げ攻撃をしかけてきた。他の2機も射撃だと邪魔が入るのでソードを持って斬りかかってくる。

 これだけ密集していれば誤射を恐れて撃ってこないだろう、と言う事だろう。


 まさに狙っていた状況になった。


 右脚のブレイドでエンブレム機のソードを受け止める。右腕のブレイドでもう1機。左脚で最後の1機。

 3本のソードをブレイドで受け止める。ソードの出力の方が圧倒的に強いため、長くは持たない。だけど一瞬、予想だにしない足止めが出来ればそれでいい。


 これがブレイドスタッカー(ブレイドでの足止め)だ。


 手脚と鍔迫り合いを始めた敵の動きが止まる。そこを2人が狙い撃つ。

 左脚の1機は斬りかかるその体勢のまま横っ腹をシシハナさんのライフル弾で貫かれた。


 こちらの作戦を察知してすぐに残り2機が離れる。そこを狙って右腕の敵にオルタバレルのマシンガンモードをお見舞いする。

 最初は上手いこと回避していたがラハラの射撃が掠めたのをきっかけにオルタバレルが命中。ものも言わせぬような連射であっという間に蜂の巣になった。


「エネルギー消費が激しいな。下手すると腕のスラスター分が無くなってしまう」


「しっかり管理しないとねっ!」


 シャトルの方を見ると、2機残っていた敵が1機に減っていた。その最後の1機にカスタム機がP(ピストル)マシンガンを叩き込んでいる所だった。仲間の護衛機はどうやら助からなかったみたいだ……。


 周囲の状況を見たエンブレム付きは逃げる体勢に入った。


「逃がさ、うわっっ」

「きゃっっ」


 ガンっという音と共に突然機体に衝撃が走る。シシハナさんに横っ腹撃たれた奴がまだ動けたのだ!

 

 メイリア機に横から組み付き、ビーチェ星に向かって全力でスラスターを吹かしている。

 重力センサーが警告音を鳴らし始める。

 ダガーを突き立て、とどめを刺す。

 だがもう遅かった、クーリアの推進力では抜け出せない所まで来てしまっている。


 ハイブーストも使って全力推進。

 落下が遅くなるだけだ。


 エンブレム機が逃げていくのが見えた。それと共に通信が回復し、シシハナさんがラハラに止められているのが聞こえてくる。

 

 2人には頼れない、巻き込むだけだ。何とか、何とかしなくては!

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