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進行方向に防衛隊の3機が待ち受けているのを見て、敵のグレイン達は焦ったのか、被弾覚悟で静止して狙いを定めている。だが、そんな捨て身を許すほど2人は甘くない。
「棒立ちか。諦めたなら撤退すればいいものを」
「私が当てられないとでも思ってるの?」
高速移動しながらの正確無比な射撃でそれぞれ1機撃破。俺がライフルを壊した奴は利口にもすぐに撤退していった。
残りの1機は仲間がやられたのを見て、逃げようとしたが遅かった。防衛隊の射程圏内に入り、蜂の巣にされて沈黙した。
「周囲の脅威対象の除去を確認。第2次減速開始」
「ごくろう、このままラハラ隊はシャトルへ向かってくれ。防衛隊の大隊長から電波妨害が発生しているエリアの情報を貰った。今送信する。私の通信機でも相手と連絡が取れない事から恐らくそこにいるのだろう」
「了解だ。防衛隊、感謝する。うちの艦長達をよろしく頼む」
防衛隊の1機が気にするな、とばかりに手を挙げた後、3機で高速船を囲うように編隊を組んでシーゲートへ向かって行った。
近くに敵がいない事を確認してから渡された座標へと巡航形態で向かい始めた。
「わかっていると思うが、惑星の重力には気をつけろよ。クーリアの推力じゃ、あっという間に引きずり込まれるぞ」
機体の下側は吸い込まれそうなほど真っ青な星がすぐそこに見える。
その巨大さのため、距離感が狂ってしまいそう。重力センサーに気を配らないと本当に引きずり込まれそうだ。
センサーがジャミングを検知。周囲を光学カメラで隈なく見渡す。
「あそこだ!戦闘の光が見えた!」
「り……かいだ、こち……もかくにん……た」
ラハラからの通信だが、ジャミングの影響をモロに受けている。音声通信による連携は期待できない。
シャトルと敵の姿がはっきりと視認出来るようになってきた。通常形態へ移行。
シャトルの周辺にはクーリアが11機。そのうち8機がシャトルの周りを手や脚や、そして銃口からプラズマの光を放ちながら飛び回っている。何機かこちらに気づいて銃口を向けてきたが、様子を伺っているようだ。
もう3機は巨大な盾を構えてシャトルに張り付くようにして飛んでいる。シャトルの護衛だろう。上手いことライフルの弾を盾で受け止めつつ、応戦している。
護衛機の中の1機だけシルエットが微妙に違う。盾に隠れてよく見えないが腕や脚の関節部が大きい。カスタム機のようだ。Pマシンガンを使っているように見える。
「あの3機だけで守り抜いてるの!?」
「凄いな。だけど時間の問題だ。少しでもいい、俺達で敵の注意を引こう!」
「オーケー!行こう、フィア!」
ハンドサインで2人に先行する、と伝え、メインスラスターとハイブーストを吹かす。それを見た敵、2機がこちらに射撃を開始。
狙いが鋭い!
シーゲートにいた連中とは明らかに練度が違う。シャトルの周りを飛び回っている連中もデタラメに飛んでいるように見えて、統制と連携が取れている。この通信が当てにならない状況で、だ。
くそっ、護衛が1機落とされた!
だからと言って怯んではいられない。
直線的な動きの中にハイブーストを使い変則的な動きを混ぜる回避運動。さらにオルタバレルで弾幕を張りつつ敵に向かっていく。
初めて見る武器に若干怯みが見られたが、弾幕を避けつつ連携射撃でこちらの動きを狭めてくる。
「そろそろ限界だ!」
「2人ならやってくれるよね!」
手脚とハイブーストを振り回し、鋭角的に曲がる。後ろを飛んでいた2人がそのタイミングで敵を狙い撃つ。
俺達の急激な方向転換に完全に気を取られた1機が直撃を食らい動かなくなった。
もう1機は手脚のスラスターでまるで側転するかのように回避。先程とは上下逆さまの体制で素早く銃口をシシハナ機に向けた。
オルタバレルを単発モードへ。一瞬のチャージの後、閃光が放たれ、その敵を穿った。
「フィア、3機来る!右肩にエンブレムが付いてる奴がいる。きっと反乱組織のエースだよ!」
仲間がやられたのを見るや、すぐさま迎撃体制に入った。こいつら、いちいち行動が早い!
シャトルの護衛2機はまだなんとか戦えているが、1機は右脚と盾を持っていた右手がやられている。
カスタム機が腰の左右から鋼線で繋がれた大型のアンカーフックを射出。1機捕らえた。
Pマシンガンを放り投げ、鋼線を掴み自らの方へと引っ張る。近づいてくる敵を機体の半分が隠れるような大型の盾で殴り飛ばした。
損傷した護衛に対して射撃体制に入っていた敵に凄い勢いで衝突。構えていたライフルが勢い良く放り出された。
……殴られた機体は機能停止だろうな。
「凄い戦い方……。やばっ、見惚れてる場合じゃないね」
こちらは3対3での睨み合い。お互いの出方を探っている。
ラハラ機からチカチカと光の明滅による信号通信が送られてきた。
【陣形、ブレイドスタッカー】
その信号が合図かのように6機が動き出した。




