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転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第6話 アメとムチ

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6-2

 訓練は港の中にある軍の施設内で行われる。みんなでそこに移動し、射撃と体術、2科目の訓練が始まった。

 ちなみに今回の作戦に参加するのは艦長、ラハラ、シシハナさん、メイリア、アンビーだ。

 艦長は協力者にコンタクトを取る、と言って単独行動。

 アンビーはパイロットじゃないけど志願という形で訓練を受ける事になった。


 パンパンパン、ボスボスボス

 パンパンパン、ボスボスボス

 パンパンパン、ボスボスボス


 ハンドガンによる射撃訓練。乾いた発砲音と的に弾が当たる音が小気味よく響いている。のだが、メイリアの所からは教官の怒鳴り声と変にリズミカルな発砲音が聞こえてくる。

 パンパパパン、……ボス…

 パパパンパパパン、…………ボス…


「アルスメリアァ!何度言ったらわかる!その変なリズム付ける癖直せと言っているだろうがぁ!ほぼ当たってねぇぞ!」


 早々に合格を貰った3人は暇潰しの射撃をしていたが、もう飽きたので座ってメイリアを眺め始めた。


「長くなりそうだねぇ〜」


「……そうだね。メイリア、頑張って」


「あいつ、最近フィーに頼り過ぎで前より射撃下手になってないか?」


「フィアさんがいつも甘々だから今回はいい刺激になるかもね〜」


「俺、甘やかしすぎか?」


 なんとか合格を貰え、次は体術の訓練。

 こちらは射撃の鬱憤を晴らすかのように教官を宙に舞わせるメイリアによって驚くほど早く終わった。

 ALOFの操縦はパイロットの得手不得手が色濃く表れるのだな、と感心してしまった。

 

 メイリアが不得手な射撃は俺が担当、近接戦闘はメイリアのセンスに任せる。担当外の時は索敵や敵の細かい挙動に気を配り、カバーに回る。

 相談したわけでも無く自然と形成された戦闘スタイルだ。もっとメイリアを知ればさらに洗練されたスタイルに昇華できるかもしれない、そんな考えが浮かんだ。

 

 施設から出た時は既に夜。半日近く訓練していたわけだ。

 さすがにみんな疲れたようで、明日も朝早いから、という事でホテルに向かいそれぞれ自室へと入っていった。

 

「ふぁ〜疲れた〜。フィアー、お風呂入れてー」

 

「こら、俺はそういうAIじゃないぞ。自分で入れなさい」


 甘やかさないように気をつけなければ。というか、入れようと思ってもできないんだが。


「あはは、フィアが怒った。お父さんみたいだね!……お父さんかぁ」


 キャッキャと笑ったかと思ったら急にシュンとしてしまった。


「フィアは……、私のお父さんだったりしないよね?えへへ、何聞いてるんだろ、私」


 携帯はテーブルの上に置いてあるため、メイリアの顔を確認する事はできない。でも声で涙ぐんでいる事はわかる。

 そうだよ、と言えば安心するだろう。だけど一時的な慰めだ。そんな無責任な事は言えない。


「メイリア、俺は……」


「ごめん!何でもない!この間までアウターローバと戦ってたかと思えば今度は連合軍の、私達の仲間であるべき人達。ちょっと混乱して弱気になっちゃった。お風呂入ってくるね!」


 そう言ってお風呂に入り、出てきたかと思えばすぐに寝てしまった。


 次の日、メイリアは何事も無かったかのように起き、いつもの様に俺と会話をしながら身仕度を整え集合場所である港へ向かった。


「こ、この船は」


 見た事ある船に声が漏れてしまった。海賊達が乗っていた高速船だ。


「あはは、大丈夫だよ、フィア。これ、ありふれた高速船だよ。とか言って中にあの小悪党が乗ってたりして」


 メイリアがいたずらっぽく笑う。いつものメイリアだ。


 隊の3人がそれぞれクーリアを操縦し、貨物部に乗り込む。集音マイクが前方の客室から聞き覚えのある声を拾う。この声は……。

 メイリアに伝えようとしたがその前に降りていってしまった。急いで携帯視点に切り替える。


「あ、あなたは!」


「アルスメリアァ!昨日は世話になったなぁ!」


 昨日の教官である。


「最近、特に反連合の輩が騒がしいらしぃ!特に軌道エレベーターは危ないらしいからな、俺からの餞別だぁ!」


 昨日の訓練で使ったハンドガンだ。餞別と言うには物騒だが、実際物騒な情勢なのだろう。

 どうやら先に来てこの船の船長に銃の携帯許可を貰っていたみたいだ。この船の行き先らしい軌道エレベーターにも許可は取ってあると説明してくれた。


 全員に渡し終わるとメイリアの方を向き、休養期間、楽しんでこいぃ!と大声で伝えて帰っていった。


「なんだかんだ、いい人だったね」


 シシハナさんがメイリアに微笑みかける。


「ふふ、いい教官に会ったな。また次の休養の時に訓練つけてもらえ」


 ラハラがメイリアの頭をぽんぽんと叩く。


「これが飴と鞭の飴なのかなぁ」

 ハンドガンを見ながらメイリアが呟いた。


 船の帆先には青い惑星が小さく見える。何故だろう、心がザワつく。波乱が待ち受けている予感がする。

 でも彼らとならきっと乗り越えられる。今はそう信じよう。

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