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3-2

 敵との距離が近づき、データベースとの照合が可能となった。


 通称、イエロノーズ。無人機ではあるものの、人型に近く、高い攻撃力と立体的な機動が可能な機体。基本装備は左手に大型の電磁シールド発生機能付きの盾と右手のプラズマソード。

 

 盾と胴体はレッドアイと同じだった。頭部は簡略化されていて、あの異様なギラつきのある赤目ではなくなっている。大きな違いと言えるのが、脚が太腿部分までしか無く、そこが大型のスラスターになっている事と右肩がかなり大きく、右腕の肘から先が黄色い象の鼻のようになっている事だ。


「右手のプラズマソードに気をつけろ。俺らのよりか切れ味は悪いが範囲が広い。それに、切れ味は悪いと言っても当たれば致命傷だ。何としてでも避けろよ」


「「了解!」」


2人が同時に答えて、それぞれが敵を出迎える。1機につき2機、相手にする事になる。今の俺達なら問題なく倒せそうではあるが、ラハラ隊長が言っていた通り油断は禁物だ。まずは様子を見て……。


「フィア、今の私達なら余裕で倒せそうだね!でやぁー!」


 メイリアさん、ちょっと待ってね。隊長の話し聞いてたのかな?


 真正面から2機に突っ込もうとするメイリアから操縦権を奪い、急停止。攻撃の届かなそうな所までピストルマシンガンを撃って牽制しながら後退。


「ちょっとメイリア、無策で真正面に突っ込むのは危険だ」


 と言った次の瞬間、象の鼻の様な右手がムチのようにしなり、先端から淡い黄色い光を放出しながら目の前を通り過ぎていった。危なかった……。


「ご、ごめん、調子乗った……」


「いや、いいんだ。気を取り直していくぞ!」

 

 ラハラ隊長が敵のプラズマソードの切れ味が悪いと言っていた理由がわかった。恐らくクェルツ星団のプラズマ制御技術を真似したのだろうが、完全な再現にはまだ遠い。収束率が悪いためプラズマが散らばり、範囲は広いが攻撃力が落ちているのだろう。奴らもこちらを研究してる事がうかがえる。


 引き続き牽制でピストルマシンガンを撃ちながら距離を取る。

 ピストルマシンガンは小型で取り回しがいいだけでなく、弾となるプラズマが本機から掌のコネクタを通しての供給式なため弾数を気にしなくていいのでかなり好きだ。

 

「ピストルマシンガンの威力では電磁シールドに減衰されてダメージは期待できなそうだ。となると、懐に潜り込んで切り刻む。俺達の得意な戦い方だ」


「そうだね!またサポートお願いね」


 もう一度、操縦権をメイリアに渡す。


 敵は側面に回り込んで挟み撃ちにしようとしてきている。


 敵がわずかでもバラけてくれるのはむしろ好都合。右側の敵に向かって突っ込んでいく。またムチのようにソードを振るってくるが、モーションも大きくて回避はメイリアでも難しくなかった。

 躱しざまに右上腕のブレイドで鼻を切り落とし、そのままの勢いで本体を切り刻んで、機能停止させた。

 

 もう1機が盾を構えて突進してくる。やはり直線的な動きはかなり速い!


 以前シシハナさんが金角との戦いでやっていた様に機体を回転させて左側へと回り込むと同時に背面に向けてピストルマシンガンを撃ち込んだ。

 こっちも機能停止を確認。

 

 気づけば仲間の2人も戦闘を終わらせていた。


「メイ、よくやった。この程度は余裕か?」


「ははは……。少し危なかったです」

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