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い。蒸し暑さと大きな雷の音で坂田は目を覚ました。寝ている間に体からでた大量の汗がベッドシーツを濡らしていた。いつのまにか雨が降り出していたらしく開けていた窓からは雨が入り込みフローリングを濡らしていた。
二日酔いで痛む頭と吐き気を抱えながら立ち上がりベッドの周りに散乱したビールの空き缶を踏まないように歩きながら窓辺に近づくと窓をしめてキッチンに行くと冷蔵庫からペットボトルを取り出し一気に飲み干した。
それでも体はどこか重くかんじるし、それどころか吐き気を感じてトイレにかけこんだ。
胃の中にあるものをすべて吐き終えると、洗面台の鏡の前に立った自分を見つめた。
そこには青白い顔をした坊主頭の無常ひげを生やした男がいた。
いつもと同じだ、変わらない。
聞き慣れた着信音が聞こえてきてサイドテーブルに目をやると携帯が点滅していた。
ドキドキと心臓が音を立てる。さっき水を飲んだはずの喉がまた乾いてしまった。
携帯を手にとって耳にあてる。収まったはずの吐き気がもどってくるのを感じながら電話に出た。
「…はい。 坂田です。」