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ブーケトス

〜side由莉〜


朝目覚めると、

部屋に目が真っ赤な大地と、

ルーカスに舐め回されてテカテカした蓮が居た。

う〜ん

カオスッッッ!!?

どゆこと?! 昨日私が寝たあと、

大地泣いたの、寝てないの!?

しかも未だウルウルしてるじゃん!?


まぁ、かなりお姉さんに感謝してたみたいだし、

スッキリしたみたいだし、良かったんじゃない?


あっ……まだ、ダメだ また泣きそうになってる。


すると蓮が私に

「コイツ昨日の夜から、外に出て泣いて、寝床で天井見ながら泣いて、ずっと繰り返してるんだよ。」


「姉さんに甘えたい。」


「姉さんの餃子食べたい。」


「姉さんと話したい。」


ダメだ、お姉さんシンドロームを起こしてる!

早くいつも通りの、アホに戻ってくれ……


蓮が育児疲れ起こした母親みたいな顔になっていた。


佐倉を放って服を買ってきたあと


まだ泣いていたので、少し慰めて、

冒険者ギルドに向かった。


すると、


「大丈夫ですかっ、サクラさん 」


と受付の担当らしき方が、こちらに向かいかけてくる。


「おぉ、受付のお姉さんじゃないですか!」


「サクラさん、目、真っ赤ですよ!」


「あぁ……これは昨日故郷の家族を思い出しまして、」


「そうですか、何かあったら言ってくださいね。」


「あと、申し遅れました。私、ベリス・ペレンニスといいますっ!」


なんだコイツ……あんな心配したのに、この子見ただけで復活してやがる。

というか、この子めちゃくちゃ可愛いな。


カワイイ系だしかもあざとくない、オドオドした小動物系。

これが、演じられるのなら、スパイにだって慣れそうだ。


「それで、サクラさんは今日どのようなご用件で?」


「えっと、友人二人の登録をお願いしたくて…」


「わっ、分かりましたっ!」


大地に尋ねる。


「大地、あの子好きでしょ?」


「YES!!!!!!」


えっ? 即答?

もっと恥ずかしがれよ。


お前一応これが初恋だろ……

しかも年上だろう。


しばらくして、べリスさんが黒いカードを持ってきて、筆で代筆する。


「なんてお名前なんですか?」


「ユリ・シバサキよ。」

「レン・モトヤマです。」


そう答えると、多分、達筆な字でスラスラと書いて行くそして、

カウンターの奥にある、半径10㎝位の大きさのいかにも魔法陣なものに、

カードを置くと、書いた内容が光、薄く彫られた。

そして裏には、竜巻の紋章。表には、木々を焼き尽くす炎が描かれていた。


蓮の方には、荒野に落ちる雷があった。


するとある事実に気がついた。


私のシバサキのサにあたる部分が

大地のカードでは、名前の一番初めに書かれている。


あれもしかして、コイツ

佐倉大地さんじゃなくて、苗字と名前が入れ替わっているのでは?


明らかに、名前、苗字の順なのに、アホか……コイツは。


しかも、市役所に書類が回るから、

この世界でコイツ 一生、大地 佐倉になるじゃない。


大地が聞いてくる。


「まじ!?」


「マジ……」


「じゃあ、受付……えっと、べリスちゃんは俺の事、ずっと下の名前で呼んでたの?」


何か、幸せそうなので放っておこう。


「三人でパーティーを組まれますか?」


「はい」


「名前はなんにしますか?」


すかさず、旧大地 現サクラが提案した。


「"ブーケ"はどうだ?」


「佐倉と由莉と蓮でブーケね……」


いいんじゃないかしら?

いい名前だと思う。


「いいと思う。」


「お決まりですか?」


「えぇ、"ブーケ"でお願いします。」


「わっ、わかりましゅた。」


あっ、噛んだ…

可愛いじゃんこの子。

しかし異世界……髪がカラフルだわ。

この子は、真っ白な髪に黄色いメッシュ……

可愛い。しかも不自然じゃなくて馴染んでるのがすごい……

年上だけど。


「パーティーの証をお作り致しますがどうしますか?」


「花束の形のイヤリングタイプでお願いします。」


「分かりました。」


「後日、だいたい一週間程で、パーティとして、登録したあとに、証と一緒に担当員が来ます。」


「しばらく、パーティーとしての活動は、お控えください。」


そう告げられ私たちは、防具屋に向かい出して言った。

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