ペットとは……
〜side蓮〜
村、とりあえず人里に向かい歩き出した。
それはいいのだが…
何故か、アレスが進化した後からやたらゴブリンが来る。
正直に言うと臭い、信じられない程
臭い。なのであまり見たくないのだが、
もう、かれこれこの2時間で
三十体程相手をしている。
といっても大概、
ザンギの精霊魔法と
取り逃した奴は、ルーカスの体当たりでによって、
光に還って行く。
そんなことをしているうちに、
ルーカスが
15Lvになった。
二度目の進化である。
もうあまり驚かない。
進化先を選んでください。
リザードLv1
レッサーカオスリザードLv1
スモールリザードプリンスLv1
迷わずレッサーカオスリザードを選択する。
するとすぐ
ルーカスの体が光り始めた…
混沌に進化するというのに
その姿は、
あまりにも神々しかった。
しばらく
およそ5分程だろうか。
ルーカスは新たな姿を俺に見せてくれた。
前のオレンジ色の姿は
幼体の時のような、
艶のある漆黒に金の五本線そして青いしっぽ
幼体に逆戻りしたような
そんな感じであった。
「なんか、新しいのに、懐かしい気がする」
「そうかしら?」
少し感動した。
何だか飼い始めた頃に戻ったみたいだ。
またそこから僕達は歩き出した。
と言っても10分に1回ぐらいの感覚で
またゴブリンが来るのだろうが。
それからずっと歩き続けた。
進化から二日ほど経ったぐらい。
ゴブリンとの戦いにも疲れて来た頃
村が見えた。
いや、村ではなく、街だろうそんな大きさだった。
しかし不思議だ。
何故か街の周りに村があり、
その村は城壁に囲まれていないのだから、
しかも壁の中には、大きな旋風が渦巻いているように見える。
不思議な街である。
城壁がみえて20分くらいだろうか、
周りにある村に着いた。
「申し訳ございません。」
いきなりオレの方に駆け寄ってきた初老の男が
何故か急に謝ってきた。
「その魔物共の素材を我らに譲っていただけないでしょうか?」
このクソジジイ
とんでもないことを言い出しやがった。
しかし、まあまあ我慢して話を聞く。
「なんでですか?」
「我々は隣の領地から重税に耐えかねて逃げてきたのですが、」
「街の中に入るための通行料が足りず、この町の外で住んでいるんです」
「なので、そのサソリの魔物の素材を我らに譲っていただきたいのです」
「金を返すことはできませんが、そのサソリはなかなか希少なようですので」
「もちろん余ったお金はお返しします」
「そこで我々にどうか、その魔物の素材を譲っていただきたいのです。」
佐倉がぶちギレている
そこをなんとか、ザンギと由莉が抑えている
よく見るとアレスも佐倉の肩の上で
派手に威嚇している。
というか、進化して更に重くなって、
体長も60センチくらいあるのによく肩に載せられるものだ。
そんなこんなでワタワタしていると
ジジイが火にガソリンをぶっかけやがった。
「早く譲っていただけないでしょうか?」
「我々には時間が無いのです。」
「そのくらい別にいいでしょう。」
「何せこっちは生活がかかっているのですからね。」
こちらを見て早くしろと言わんばかりの呆れ顔を晒したジジイ……
佐倉が遂にブチ切れた。
「おいてめえ、てめえの家族全員ぶっ〇すぞッッ!?」
「な、何を仰るのですかっ!?」
「うるせぇ黙れ、ぶっ〇すぞッッ!!」
「俺の可愛い可愛いアレスちゃんを……」
「うちの娘を……」
「素材だとてめぇ、〇す……」
まぁ、そりゃあ切れる。
何せ、自分たちの為に、お前の嫁をバラして寄越せと
全く知らんやつから言われた様なものなのだから。
「魔物がそんなに大事ですかっ?!」
そして佐倉がジジイの胸ぐらを掴んで、
振り回していると……
今まで威嚇決め込んでいた アレスが
ジジイを思いっきりぶっ刺して泡を吹かせる。
「ぐぁっ……!」
そしてジジイはぶっ倒れた。
そして佐倉は倒れたジジイにマウント取って、
ボコボコにしていた。
ジジイがじじいだとわからなくなる頃に
やっと佐倉の怒りは納まり能面のような顔を晒している。
ひとまず冒険者ギルドに行くとしよう。
そして門にたどり着いた。
「アンドレヴァスの街に入るためには、銀貨二枚が必要です。」
そう、衛兵が無慈悲に告げた……
ジジイのガソリン半端ない。
次の街の名前を
感想にてお待ちしております。