08.魅了物語 -とある聖女の悲恋譚・彼女が想い人を殺すまで
【あらすじ】
近い将来に発生する未曾有の凶作・飢饉に備え、創造の女神テラリュームは新たな聖女を世に送り出すことにした。
豊穣の聖女として神託を受けたのは美しい乙女ミルーシャ。
彼女はスラヴ王国カンデュラ領、テラリューム教会所属の孤児院の管理を任されているシスターだ。
『カンデュラの神官シスター・ミルーシャよ、あなたに神託を与えます。これより2年後、この世界に未曾有の大飢饉が襲います。あなたはこれより《豊穣の聖女》を名乗り、迫り来る災害を防ぐために祈り続けるのです』
「そんな、今日にも王都からアキムが戻って来るのになぜ……」
ミルーシャの想い人アキム、彼はスラヴ王国第一独立小隊に勤務していたが、除隊が決まりカンデュラに帰って来た。
除隊後はカンデュラ領での警備小隊長としてのポストが決まっており、帰郷してすぐ愛するミルーシャと結婚する予定であった。
しかし結婚は急遽取りやめになってしまった。
聖女の任期は27歳まで。それまでは勇者以外との性交を認められておらず、もしこの禁を破れば聖女としての力は大幅に失われるか、完全の消失してしまう。
また禁を破ったものは豪炎の刑に処され何日も焼かれ続け死を迎えることになる。
「待つよ、それくらい!それに一緒に居られない訳じゃないし、子供は少し遅くなるけど、その分は楽しみにとっておけばいいじゃないか」
アキムの大きな愛と度量に、ミルーシャは感激の涙を流すと同時に己の不幸を呪った。
しかし本当の不幸はこれからだった。
聖女保護の目的と称し、ミルーシャは聖堂騎士達に拉致されてしまった。
さらには異世界から召喚された勇者までもがミルーシャに目を付け追い始めた。
アキムはミルーシャ救出のため、単身で追撃を開始したのだった。
【世界観】
異世界
遥かな太古に我々の世界から分岐したティラムと呼ばれる並行世界。
そのティラム世界に数ある国に一つスラヴ王国のカンデュラ領が舞台。
剣と魔法のファンタジー世界で文化レベルは中世ヨーロッパ程度だが、一国だけ突出した科学レベルを誇る国が存在する(未登場予定)。
ティラム逃亡記2020のスピンオフ作品です。
本編をお読みの方はすぐお気づきと思いますが、バッドエンドありきとなります。
目標3万文字以内。
【登場人物】
アキム
性別:男
職業:元王国騎士
ミルーシャと同じ孤児院で育った幼馴染。
王都ではスラヴ王国第一独立小隊に所属。
実力は2級冒険者騎士相当。
帰郷してすぐ婚約者ミルーシャと結婚式を挙げる予定だったが、ミルーシャが聖女の神託を受けてしまい大延期に。
さらにはミルーシャが保護の名の元に聖堂騎士達に拉致されてしまった。
事実を知ったアキムは直ちに聖堂騎士達の追跡に入るのだが。
ミルーシャ・リースティン
性別:女
職業:豊穣の聖女
スラヴ王国、カンデュラ領孤児院育ち。
カンデュラ領内のテラリューム系教会運営の孤児院を任されていたシスター。
彼女は豊穣の聖女として神託を受けてすぐ、同じテラリューム系聖堂騎士団により拉致同然に隔離された。
リーン・カンデュラ
性別:女
職業:領主の娘
ミルーシャの親友にして幼馴染。
自己犠牲の精神が強いカンデュラ領領主の令嬢。
戦闘職ではないため、アキムへの経済的な支援と情報の提供を行う。
バージニア司教
性別:女
職業:捕食司教
カンデュラを含む広大な地域を統括するテラリューム教司教。
カンデュラ内に聖女誕生の報告を受け、ただちに保護(拉致)を命じた。
アレックス
性別:男
職業:聖堂騎士団 ミルーシャ保護部隊隊長
バージニア司教の命令により、ミルーシャの保護(拉致)命をぜられた。
残虐な性格で、監禁中にミルーシャに対しレイプ紛いな事をしでかす。
田中炎皇斗
性別:男
職業:召喚勇者
アース世界からの召喚者、日本人。17歳。
同じ召喚者の柳瀬芽衣子・磯崎摩耶・木下友里共に勇者パーティーを組んでいる。
性的に鬼畜な性質で、勇者の本能のままに聖女ミルーシャを追い詰めた。
創造の女神テラリューム
性別:女
職業:女神
この世界の創造神が一柱の創造を司る女神。
現在は慈愛の女神「セフィース」に世界の維持を任せて休眠している。
なにかしら神託を与えたり、何らかの緊急事態が発生した時のみ覚醒する。
出来る女神のようで実は残念な女神の可能性有り。
AI(wifelabo)によるキャライメージです。
第一話 豊穣の聖女ミルーシャ
第二話 想い人アキムの帰還
第三話 聖堂騎士の強襲強奪
第四話 追撃開始
第五話 名サポーター、リーン・カンデュラ
第六話 震える王都、召喚者達の産声
第七話 召喚勇者は聖女を求める
第八話
第九話