03.俺がヒロインと俺を救って俺を蹴落としたのち、俺とヒロインが結ばれる話?
【あらすじ】
ユートとシルビアは幼馴染で仲良し小好し。
13歳の時に適性の儀を受けた時にユートは「無印剣士の卵」、シルビアは「剣姫の卵」の適正を受けた。
それからシルビアはユートを自分の隣に立っても恥ずかしくない男に育てる為、過激な訓練を強いた。
やがてそれはイジメへ姿を変え、ユートは我慢の限界を迎えようとしていた。
15歳の時の成人の儀においてシルビアは「剣姫」へと育っていたが、ユートは無印剣士どころか無能力者に変わっていた。
ユートの不甲斐なさに激怒したシルビアは今まで以上に摂関したが、我慢の限界を超えたユートはシルビアと絶縁し、村を飛び出してしまった。
どうせ一時的なものですぐ帰って来ると思っていたシルビアだが、ひと月経ってもユートは戻って来ない。
流石に不安になり探し始めたシルビアだが、待ち受けていたものは、ユートの死という残酷な事実だった。
ユートの死に絶望し、シルビアは後追い首つり自殺をしようとしたが何者かによってロープが切られ自殺は失敗する。
自殺を阻んだ者、それは3年後の世界からシルビアの自殺を阻止するためにやってきたユートだった。
未来のユートとシルビアは、過去のユートを救うべく時間の回廊を過去に向かって歩き始めたのだった。
【結末】
なんやかんやいい感じに自分自身と対決勝利したりしながら、ユートとシルビアは3年近く前に遡り、適性の儀・成人の儀で使われた水晶玉を破壊する。
その結果、過去の世界のユートとシルビアが何も力を得ずに仲良く結ばれた。
結ばれた二人を見届け、未来から来たユートとシルビアは、愛する者が存在しなくなった自分達の世界に帰って行く。
【登場人物】
ユート
13歳15歳18歳
本作の主人公、シルビアからのパワハラに耐え兼ね村を出奔するも、時空絡みの事件に巻き込まれ死亡。この瞬間から並行世界が誕生し、事件を回避した世界のユートは時をかける能力を得てしまう。3年後、シルビアの死を知り過去の世界に逆行する。
シルビア
13歳15歳
元は一途で勝気な少女。剣姫のジョブを得たがために人生が狂いだした。
剣姫のジョブは様々な権力者達の目に止まり、シルビアの元へ婚約の申し出が殺到する。
焦ったシルビアはユートと添い遂げるためには、彼が剣姫に相応しい剣豪になるしかないと思うようになった。
タイムパラドックスが発生し、幾つもの並行御世界を作り出した混沌した中での、ちょっぴり切ないSFハイファンタジー作品。