18.二度目の追放はマイハーレムから!?流離(さすらい)の邪剣士は真実の愛を求めて荒野を彷徨う。
【あらすじ】
「うぉおおおおおおおお!チートな男になってハーレム王になりたい!」
自称邪剣士のエロンは、大異変に対抗するために編成された勇者パーティーのメンバーのひとり。
だがエロンはパーティーに入って僅か三日後に追放となった。
しかしエロンはチートでハーレム思考の持ち主。
追放された後も、こっそり勇者パーティーの後を付け、勇者が倒した異世界の魔物の討伐部位をチャッカリ集めて、自分の武勲として国に申請。
その努力の甲斐あって、エロンは一級冒険者の資格と見事英雄の称号を得た!
「ふはははは、この資格と称号さえあれば、後は俺のやりたい放題だぜ!しかし今は我が身優先!」
称号を得たエロンは、他の英雄達が必死で戦う中、我が身大事さにずっと身を潜め、大異変終結後に姿を現した。
そしてエロンは大異変終結に貢献した大英雄の一人としてチャッカリ加えられる事になったのだ!
平民が一級冒険者もしくは英雄になれば、ハーレムを持つことが許されるようになる。
それからのエロンは欲望を剥き出しにして、冒険者を中心とした女達を口説き、自分のハーレムに加えていった。
そんなある日の事だ。
エロンが自分の屋敷に戻ると、30人の嫁たちが怖い顔して一斉に睨んでいた。
「どうしたんだ、おまえたち?」
「「「「「「エロン、あんたはハーレムをクビよ!」」」」」」」
なんとエロンは自分のハーレムから追放されてしまうのであった。
この物語は、自分が作ったハーレムから追い出されたエロンが、「いったい何が駄目だったんだ???」と反省しながら新たなハーレムを作るための自分探し的な物語である。
【仕様】
なろう用R15仕様 10万文字程度
【登場人物】
エロン(主人公)
性別: 男
年齢: 17→19
職業: 一級冒険者 邪剣士
得能:フェーバー(好感を持たれやすくなるエディシュンスキル)
目的の為なら手段を択ばないハーレム思考の強い主人公。
信じられない事に一級冒険者資格も不正入手した。実際の実力は二級下位程度で、強い事は強いが一級の実力には程遠い。
最初の勇者パーティーでは、勇者達の彼女である二人の聖女に手を出そうとして叩き出された。
自分のハーレムパーティーでは、ぞんざいに扱い過ぎた女達の反感を買い、やはり叩き出された。
プリシア(ヒロイン)
性別: 女
年齢: 17→19
職業: 一級冒険者 愛剣士
エロンとは同郷で幼馴染。
別にエロンと恋仲というわけではなく、故郷のエロンの両親から連れ戻すよう頼まれており、常にエロンと行動を共にしている。
フェーバーに対する耐性を獲得している。
ユーシス
性別: 男
年齢: 18
職業: 真正勇者
女神テラリュームから世界を救うために神託を受けた勇者。
彼女である聖女アリサに手を出そうとしたエロンを半殺しにした。
アリサ
性別: 女
年齢: 16
職業: 真正聖女
女神テラリュームから世界を救うために神託を受けた聖女。
ユーシスと祐樹の留守中に、エロンにしつこく関係を迫られ張っ倒した。
西城祐樹
性別: 男
年齢: 18
職業: 召喚勇者
スラヴ王国により召喚された異世界の勇者。
彼女である聖女朱里に手を出そうとしたエロンを半殺しにした。
松本朱里
性別: 女
年齢: 17
職業: 召喚聖女
スラヴ王国により召喚された異世界の聖女。
ユーシスと祐樹の留守中に、エロンに強引に関係を迫られ張っ倒した。
レイモンド
性別: 男
年齢: ?
職業: 第一王子
王子パーティー戦力強化のためにオーディションを開催。
エロンが面接に来るも、王子パーティーメンバーの女の子を口説いている所を見つけ激怒。
エロンに国外追放を言い渡す。
【各エピソード】
第一話 一度目の追放劇
「エロン!テメーなにしてくれてんだ!」
「この野郎、ただで済むと思うなよ!」
激昂する二人の勇者ユーシスと西城祐樹の前で、俺は必死で言い訳を考えていた。
「ち、違う!聖女達から言い寄られたんだ!俺は何も悪くない!」
「はぁ?ふざけないでよね!」
「あんたいっぺん死んでみる?いいえ死ぬべきよ!」
聖女達もまた激昂していた。
ヤバイ、何も言訳が思いつかない。このままじゃ勇者パーティーを追放される!
いや、それ以前に勇者と聖女に殺される!
俺の名はエロン。
最近勇者パーティーに入り込んだ邪剣士の二級冒険者だ。
このパーティーにはパーティーリーダーというものが存在せず、二人の勇者と二人の聖女の対等な話し合いにより方針を決めていると言う珍しいパーティーだ。
パーティーと言うより二組のカップルが行動を共にしているといった方がいいかもしれない。
それは昨夜の事。
俺は勇者ユーシスと勇者祐樹と共に、異世界の魔物の夜間討伐に向かったのだが。
「ぐあああああああああああああああ!!!!」
「エロン!?」
「おいエロン、しっかりしろ!」
「す、すまん。魔物の呪毒にやられた!」
俺の左腕が紫色に変色しているのを見て、二人の勇者は慌てて解毒薬を飲ませてくれた。
しかし――
「バカな、全く効果が無いだと!?」
「ユーシス、こいつは聖女の力でないと治せないみたいだぞ」
そう、口にした解毒薬は全く効果が無かった。
「二人とも済まない、本当に心苦しいが治療に戻っていいか?今ならまだ一人で戻れそうだ。ぐうううぅぅぅぅつつう……」
「もちろんだ!」
「俺達も付き添ってやる!」
「いや、俺の事なんかどうでもいいんだ。二人は魔物を倒してくれ!街の人々が安心してくらせる平和な世を取り戻してくれ!」
「エロン……」
「おまえってヤツは……」
二人の勇者が心配する中、俺はダッシュで聖女達のいるホテルへと戻った。
「ふふふ、馬鹿どもめ。これは絵具のメイクだ。俺様が呪毒なんてもの食らうわけねーだろ!」
俺がこのパーティーに入ってから三日になる。
その間、俺は好感度があがるスキル、フェーバーを使っていた。
今なら大義名分さえ与えれば、少し強引に迫っても聖女達は揃って股を開く事に間違いない!
まってろ聖女ちゃん達、今宵から俺様の女にしてやるからな!
寝取られたと知った後のボケ勇者共の面を見るのが楽しみだぜ!
俺は欲望を股間に一極集中させながら聖女達の部屋に向かう。
「俺だ、エロンだ、開けてくれ!呪毒にやられてしまった!!」
「それは大変!早く中に入って!」
「どれ、見せてごらん。うわ、これは酷い!」
聖女達は紫色に変色した俺の腕を見て顔色を変えた。
「セイクリッドヒール!」
「ホーリーピュアファイ」
キラキラと金色の粒子が俺の腕に覆われ癒し始める。
だがしかし!
「ウソ、全く効果がない!?」
「そんなバカな!?」
俺は心の中でほくそ笑みながらこう言った。
「二人とも、この呪毒は人肌での癒し以外解呪できないんだ。すまないが添寝してくれないか?もちろん裸で」
「「 え゛ 」」
ふふふ、聖女と言えば慈愛の存在のはず。この頼みを断るはずがない!
後はベッドの中でじっくりと舐って寝取ってやる。さあ、カモーン♪
悪く思うなよ勇者達。寝取られる方にも問題があるのさ。
「うう、苦しい……は、早く添寝を(じゅるる)!」
迫真の演技で聖女達に添寝を強要!
「ごめん、それは無理」
「そんなテントを張った股間しておいて、添寝をしろと言われても……」
「は?」
な、なんだこの聖女達、まさか断ってくるとは!
普通治療を口実にして、ベッド中で股間を楽しむものだろう!
せっかく大義名分を与えてやったのに何を考えているんだ!
もしやフェーバーが効いていないのか!?
「そんな!このままじゃ俺が死んでしまうんだぞ!いいのか!?本当にいいのか!?」
「ごめん、勇者達を裏切れない」
「そうそう。それに……」
「それに……なんだよ……」
「それ絵具で描いた特殊メイクだよね?」
「汗で色が爛れてるよ」
「なっ、しまったあああああああ!」
クソ、急いで走って戻ったのが間違いだったか!
「こっちは本気で大異変に立ち向かおうとしているのに……」
「信じられない。悪いけど荷物まとめて出て行ってくれる?」
先程までの必死な表情が一転して、聖女達は性犯罪者を見る目で俺を睨む。
「ふっふっふ、バレちまったら仕方がねえ。こうなりゃ力尽くで手籠めにしてやる!」
聖女と言ったって所詮は女。男の腕力に敵う訳がねえ。オラァ!
― グオッ!
俺は強引に関係を迫ったのだが。
「なめてんじゃないわよ!」
「誰があんたなんかに!」
― ボコッ!ガスッ!ドカッ!ゲシッ!
「ぎゃああああああああああああああああああ!!!」
俺は逆にボコボコにされ、ロープでグルグル巻きにされてしまった。
な、なんで聖女がこんなに強いんだよ!?
翌朝――
「エロン!テメーなにしてくれてんだ!」
「この野郎、ただで済むと思うなよ!」
激昂する二人の勇者ユーシスと西城祐樹の前で、俺は必死で言い訳を考えていた。
「ち、違う!聖女達から言い寄られたんだ!俺は何も悪くない!」
「はぁ?ふざけないでよね!」
「あんたいっぺん死んでみる?いいえ死ぬべきよ!」
聖女もまた激昂していた。
ヤバイ、何も言訳が思いつかない。このままじゃ勇者パーティーを追放される!
いや、それ以前に勇者と聖女に殺されるかも!
「俺達は勇者とは呼ばれはしているが、感性は普通の人間と同じなんだよ」
「だから女が奪われそうになりゃ普通に怒る!さあ、覚悟しやがれ!」
「うひいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!」
俺は戻って来た勇者達にもボコボコにされた。
ちくしょう、こんな酷いマネしやがって!勇者のクセに暴力を振るっていいのかよ!
「追放だ、出ていけ!」
「二度とその面を見せるな!」
俺は勇者パーティーを追放処分となった。
「くそ、本気でシバキやがって。手加減くらいしろっての!」
俺は悪態をつきながら、這う這うの体でその場を去ったのだった。
「あんたって、バカだとは思っていたけど本当にバカだよねぇ」
「誰だ!」
声のした方を向くと、そこには俺の天敵である幼馴染のプリシアが、人をイラつかせるポーズを取りながら蔑視していた。
第二話 幼馴染のプリシアとハイエナ稼業
第三話 英雄の称号ゲット!
第四話 悲報、二度目の追放はマイハーレムから
以下続く……
別作からの派生作品案です。
『【ティラム逃亡記】幼馴染が聖女に覚醒したので勇者にストーキングされてます。現在全力逃亡中!』
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