3.勧誘
翌朝ナオは、ギルド内のチャットに、ギルドバトルについて質問を書き込んだ。
「おはようございます。ギルドバトル、最近の上位ギルドの作戦のトレンドを教えてほしいです。半年前と違うところって何でしょう?」
ギルドバトルは毎日行われているため、復帰直後から裏方で観戦はしていたのだが、上位のギルドとは一度も対戦できていない。
ピコンッ
貼り付いてるのかしら?と不安になるくらいすぐにてるから返事がきた。
「半年前をはっきりとは覚えてないけどたぶん大きくは変わってないですよ。あっ、ワンパンゲームになりました」
「ワンパンですか」
「ええ、城が柔らかいから」
ギルドバトルは、30分間自分の城を守りながら相手の城の破壊を競うものである。破壊仕切った時点で勝敗がつき、たまに時間切れとなるが、その時はより破壊したほうが勝利となる。尚、トーナメントは1時間である。
「うーん。上位の試合がみたいです」
「あと二人勧誘したらマッチング上位とあたると思いますよ」
勧誘は基本的に勧誘申請の権限があるマスターとサブマスターの仕事とされている。そして、マスター変更のお知らせは琥珀からメンバーにされたが、お飾りであることは伝えられていない。
「あ、そうですね…ガンバリマス」
「はい、よろしくお願いします。マスター」
ナオが半年前にゲームを辞めるときにもいた、ふうにゃからもお願いされてしまう。次は勧誘か…とナオは自然とため息を吐いていた。
※※※
「募集の方の掲示板は、と」
仕事から帰宅後、ナオは早速掲示板を見にいった。掲示板は、ギルド側から勧誘する板と、個人から募集をかける板の2つがある。ナオは、個人からの募集で、良さそうな人を探すことにした。
「ええと、聖職者以外でレベル220の人は…」
ギルドの勧誘ほどは多くないものの、スクロールを続けても末端は見えない。条件設定で、聖職者のチェックを外し、レベル順に並び替えて再度一覧を表示させることにした。
「ふむふむ、この魔法使いの人は良さそうね」
ナオが気になったのは、レベル220の魔法使いである。ステータスは、現在装備しているものは見れるため、なんとなくではあるがその人の強さがわかる。
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キール / 魔法使い
レベル :220
攻撃 : 7250
魔法攻撃:60000
防御 :25000
魔法防御:33000
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勧誘のメールを送る前に、ギルド内のチャットで、勧誘してもいいか確認した。
「ギルドに勧誘したいのですが、この方どうでしょ?知ってる方いますか?」
返事が来るまでに、他も探すか…と思ったときにメール受信を知らせる音がした。
ピコンッ
「はや…て、ギルドじゃないわ」
よく見ると個人チャットの方である。差出人は、フレンド登録されている人であった。
「ナオちゃん、久しぶり〜おかえりなさい。ねぇ、ギルメン探してない?私どうかな?」
「あら、メープルさんただいまです。恥ずかしながら戻って…て、世代じゃないわね」
「うん、でも伝わったよw」
「えへへ。ええとね、たしかに今探してるの。聞いてみましょうか?」
「お願い〜とはいえ、てるさんにもお願いしたんだけどね」
「てるさん?あれ?ギルドのチャットには何も書かれてませんよ」
「そうなの?そしたらナオちゃん聞いてみてほしいな」
「わかったわ、少し待ってね」
先程書き込んだキールについての書き込みに続けて、メープルについても追記することにした。
「すみません、キールさんとは別件でフレさんから問い合わせきたのですが、メープルさんはどうでしょ?てるさんもお知り合いみたいなのですが」
ピコンッ
するとてるさんからすぐに返事がきた。
「返事しようと思って保留にしてました。メープルさんはフレさんなのですが、よく知らなくて…」
ナオはこのとき少しもやっとしたが、すぐに自身のもやもやを振り払ってギルドチャットに返事を打ち込んだ。
「昔同じギルドだったのですが味方の防衛技術は素晴らしい人ですよ。ただ、攻撃力はありません」
「ナオさんの太鼓判があるなら勧誘されても僕は問題ありません」
「ありがとうございます。そしたら、他の方の返事を待ちますね」
「あ、私も大丈夫ですよ、二人ともフレさんではありませんが」
「私も大丈夫ですb」
通勤時間なのか、次々と返事がくる。どうやら二人ともに、勧誘することは問題はないようでほっとする。メープルには勧誘するメールとともに申請を出し、キールにははじめましてとともに勧誘したいことを告げた。