博士と助手
1人、部屋の様子を見ながら考えを巡らせていると、突然バァァアンッと音がした。
「え、え、なにっ!?」
「やァやァ、おジョウさン!オめザメかネ?ドウだイ、キみノカラダさいコうダろウ!?」
「へ、あ、さっきのカタコトハカセ?だっけ?」
-------------------正確には、ニコラス・ハンス教授です。カタコト博士でも間違いはありませんが。
ふっと目を向けるとさっき見たふよふよとやつも一緒にいた。というか、この頭のなかに"声"が入ってくる感覚が気持ち悪い。普通に話すのとはまた違うから、どうもこの感覚に馴染めない。
-------------------すみません、僕はこれでないと話せないので。あまり話さないようにしますが、教授の話で分からないことあれば聞いてください。
「ハッハッハっ、ヤはリワタシのケンきュうはサいコーだナ!!キミノかラだはモルチャんかラつくッタンだヨ!!すテキデしょウ!!?」
確かに、この博士の言ってることを理解するのは難しそうだ。かといって、さっきの頭痛の余韻が残ってるのであんまりあのふよふよしたやつとは話せない。
とりあえず、博士に質問をしてみる。
「えーっと、カタコ…じゃなくて、ニコラス教授?だっけ?その浮いてるのはなんなの?色々教えてくれるけど」
「カレ?かレのコトかィ?カレはワたシのジョシュさァ!!ビリーってイってネ、ユうシュうジョシュなんダ!カレもネ、じっケンをクリかエしテでキタわタシのサクヒんさッ!!」
色々聞き取り辛いけど、要はあのふよふよしたものはニコラス教授の助手で、ビリーっていう名前らしい。作品って言うのがよく分からないけど、おそらく私とかと同じように身体いじられたんだと思う。
「とにかく、あなたが人の身体をいじくるのが好きってのはわかった。あと、まあちょっと不気味だけど身体繋げてくれたのはありがとう。で、ここは結局どこなの?」
「エヘヘッ、ドウいたシまシて!ッて、アレ?ロイスかラはナニモキいテナイのカい?」
「ロイス?ロイスってさっきの男の人のこと?」
「ソうそウ、キシのカレ!リッぱナうでダッただロウ?カれにはゼイタクにダイじャのアたマつかッたカラねェ!ワレなガラよくデきたヨ!」
……うん、薄々気づいてたけど、この博士、悪趣味だな。人の身体繋げるって名目で趣味に走ってるような気がする。