表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Revercide  作者: リンネ
2/5

悪い夢

悪い夢を見ていた気がする。


再び意識を取り戻して起き上がると、微笑む男の人が隣にいた。


「良かった、目が覚めたみたいだね」


普通の、人?

にしては変わった服装だった。

おとぎ話に出てくるような騎士みたいな格好をしていた。さっきのカタコト教授といい、仮装大会でもしているような様相だ。


やっぱりまだ夢のなかなんだろうか。


「夢じゃないですよ」


心の声に呼応するように声をかけられ、バッと思わず振り返る。


「ああ、驚かせてすみません。ここは魂が具現化された世界なので心の声もひろえるんです。今まで普通に生きてる感覚からすると気持ち悪いですよね」


「たま、しい?」


「ええ、私もあなたも『普通の人間』じゃないので」


ほら、と見せられた鏡とぐにゃりと変形した男の人の右腕。普通の腕のように見えた右腕は肩からうねうねと動く大蛇の頭になり、こちらに向かってヘビがしゅるしゅると舌を出す。


思わず絶句し、男の人の左手にある鏡をちらりと覗く。

見た瞬間、見なきゃ良かったと後悔した。

鏡には制服を着ているものの身体のあちこちがツギハギだらけ、しかも男の人と同じように、私にも何か別の生き物の足や腕がつけられている。


「ひっ、なに、これ」


「ね、言った通りでしょう?私達は死んだときと同じ姿のまま何故か集められるんですが、博士がそこらへんにいる彼らの身体を繋いで僕らの身体を治してくれるんです」


「や、彼らって…てか、私、死んでる?」


声に出したら、頭を思いっきり打ちつけるような痛みに襲われた。思わずうずくまる私のなかに浮かぶのは汚いやつら、夕焼け、踏切、迫ってくる電車。


そうだ、私は自殺したんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ