悩めるメルル様
幾日かの日が過ぎても、魔王への訪問者は後を絶たなかった。
最初こそ町の代表というものたちが町を成り行かせるための相談事を話に来ていたが、そのどれもが良い結果になり、その噂話は一人歩きし、町から町へと飛び移っていた。
今では住民が些細な問題までもメルルの所へ相談にやってくる。
一日に何人もの話を聞いて、メルルは喋るのも聞くのも嫌気が刺してきていた。
「はー疲れた疲れた。魔王ってのも大変だね」
「メルル様、無理をなさらないでくださいね」
寝室でメルルはルシールに膝枕をしてもらいながら愚痴を零した。
いつの間にか距離が近くなった事にスライムは首をかしげたが、魔剣が代わりに「二人ハ大人ニナッタノダ」と言ったが、スライムには理解が出来なかった。
「明日もたくさん人きてんだろうなぁ」
「最近は遠方からもメルル様に会おうというものが多いそうです。そのおかげで都の宿屋はどこも埋まってしまっていると聞きました。宿屋の主人たちは嬉しい悲鳴があがっているようですが、このままではメルル様が大変ですね」
「本当だよ。そりゃぁね、町の復興とか飢餓してるとかなら協力するけどさ。はーどうにかなんねぇかな」
「あまり無理をなさらないでくださいね」
ぶー垂れたメルルは唇を突き出すと、ルシールがそっと口づけた。
「ひゃぁ!チューしてる!チュー!」
目の前でキスする二人にスライムは顔を真っ赤にして魔剣に抱きついた。
すでに二人の馴れ初めを見ていた魔剣は察したように宙に浮かび上がると、そのままスライムを寝室から連れ出そうとした。
「魔剣ちゃん、どこ行くの、ねぇねぇ」
「スライムヨ、我ラハ別ノ寝室デ休モウ」
「え、なんで?どうして?」
「コレカラハ大人ノ時間ト言ウコトダ」
「大人の時間?どうゆうことなの魔剣ちゃん」
「オ前モ年ヲ取レバ分カル」
「わかんないよー!ねぇ、魔剣ちゃーん!」
二人きりにしてやろうと気を利かせた魔剣がスライムを連れ出すと、ルシールは何度もメルルに唇を重ねた。
「んー、ルシール。横になりたい」
「はい、メルル様♡」
二人して衣類を脱ぐと生まれたままの姿でベッドに横になり、今度はメルルがルシールを腕枕した。
すでに目をハートにしたルシールはメルルのない胸に顔を埋めると、口をつけてキスマークを残している。
「あー私もおっぱいありゃなぁ」
「メルル様は無くても素敵ですよ♡メルル様は可愛いのに格好良くて、魔王様で、私の大事な大事な大事な大事な大事な御方です♡」
「いや、でもさ。持たざる者としては羨ましいもんなんだよ」
「そうですか?私は無くても好きですよ♡」
ぺったんこな乳をルシールの舌が這った。
ゆっくりと這いずる舌は乳房の突起に触れ、メルルは体に電流が走ったようにビクリと震わせる。
「やっぱりメルル様は可愛いです♡」
「…ルシール、また発情してるでしょ?」
「勿論です♡」




