スライムちゃん拠点を作る
「あぁん!」
乳を引っ張たかれたドロシーは勇者らしくない女の声をあげた。
叩いたせいでドロシーは左右に揺れて余計に乳を揺らしている。
「勇者だろ!そんな声あげてんじゃねぇ!」
「い、今のは勝手に!」
「やかましい!」
メルル怒りの一撃が再び乳を襲う。
乳を叩かれる様をみてサキュバスは羨ましそうに指を咥えて瞳を潤ませている。
「お、お願いだ。もう乳を叩かないでくれ」
「的になるほど大きな乳あるのが悪いんだよ!クッソ、どいつもこいつもいい乳しやがって」
「お、お前だって多少はあるだろう…」
「嫌味かクソがあああああああ」
***
それから三日ほど経ち、森へはそれ以上の侵略はなく、メルルたちはスライムを連れて再び森へと訪れた。
多少の灰などは残っているものの、森はメルルによってスライムの元へ戻された。
「ありがとうございます、魔王様、これで安心して森で暮らせます」
「いいってことよ。また何かあったらすぐ私を頼りなさい」
「はい!そうします!」
「フン、貴様らは知らんのだな。勇者の末裔や仲間たちは私だけじゃない、他にもいる。彼らがいつかはお前らを倒すだろう」
吊るされていた勇者が口を開いた。
三日三晩吊るされたせいで憔悴すきってはいるが、まだ希望は捨てていないように悪魔たちをあざ笑った。
「そうなんだ。じゃぁ次に会う勇者はもうちょっと強い奴がいいな。出会った勇者はあなたで二人目だけど、弱すぎ」
「魔王様!確かに出会った二人は弱かったかもしれません。ですが、かつての勇者のように強いものも中には現れるかもしれません。ですから、森に拠点を作り、魔族も体制を整えるのはいかがでしょう?」
「あ、それいいね。じゃ拠点作ろう」
スライムの提案をメルルはあっさり承諾した。
しかし、森には資源は豊富にあっても人手がない。魔王軍は現在メルル、サキュバス、スライムの三名しかいない。
この人数で拠点を作るのは到底不可能な気がする。それを察したようにスライムは胸を叩いた。
「拠点作りならお任せください!わたしは分裂して数を増やすことが出来ます。一人で出来ることは少ないですが、人数が増えればやれることは無限に広がります!」
スライムはさっそく二体に分裂して見せると、メルルとサキュバスは驚きの拍手を送った。
「さらにどんどん増えますよー!」
二体が四体に、四体が八体に、それを繰り返し続けて、いつしか周りにはスライムの少女だらけになっていた。
これだけの数がいれば拠点作りも滞りなく行えるだろう。
スライムたちは力を合わせて森の木を切り倒し、更地を作るとそこに木材を運びだした。
「わたしたちスライムは戦闘には不向きですが、こうゆうことならお任せください!」
「すっごいじゃん。スライムちゃんがいれば拠点作りも楽々だね」




