2話
心配している手下にガガドは言い放つ
「いま小僧を見回りにだしてるし、この大森林の中見つかりっこねぇ」
「いるのは俺達と魔物ぐらいだろうよ」
「今夜は食って飲め!」
ガガドは酒を一気に飲み干した。
月が沈みかかり、盗賊達も静まり返った頃
森の中から獣たちの叫び声や遠吠えが聞こえてきた。
「お頭!なんか騒がしいようですぜ」
一人の手下が慌ててガガドを起こす
「敵か!?」
ガガドは飛び起き近場にある剣を手にした。
「えぇ、森でなにか暴れてやす」
「おらぁ!てめーらおきやがれ!敵襲だ」
ガガドは手下を起こし戦闘態勢をとらせた。
獣の声がしなくなり辺りが静まり返り
目の前の暗闇から草木を踏む音だけが聞こえてくる
先ほどまで騒いでた盗賊団も手に武器を持ち緊張が走る
メキメキと小枝を踏む音が松明の近くに来たとき
男の姿をとらえた
顔は髭で目と鼻しかわからず
背はそんなに高くないがドッシリとした体つきで
腕と足は非常に太く
各部位にアーマーを付けてるのがみえた
男はふぅと一息ついてから口を開いた
「ここがおぬんしらのアジトか?」
男は周りを見回し、盗賊も武器を構えたままその場を動かなかった
「そうだ!ガガド盗賊団になにしにきた」
「仲間にでもなりにきたか?」
ガガドは平然と答えるが
周りの手下達は一点を見つめながら青ざめていた。
ガガドもその視線に気づき目にした
髭もじゃの男の手には背丈と同じ位の大斧を手にしていた
刃には先ほどの魔物の血がついており
髭もじゃ男は大斧を軽く振り血を振り払った
「おたからうばいんきた」
そんな異常な風貌に手下が口を開いた
「お頭・・・あいつ」
腕の細長い手下が小声で言う
「大斧のドグだ」
ガガドの顔色が変わる、周りの男達もたじろいている
「くそ!くそ!くそ!取られてたまるか!」
ガガドが叫ぶ
「てめえらやるぞ!」
手下も声をあげる
「「「おおぉぉぉ!」」」