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第十三話 大切な人
精神が崩壊したら、人間はどのような結末を迎えるのだろう
そのまま死んでいくのか
はたまた、残酷な死を迎えるのか
そもそもの話
精神が崩壊した時点で人間として死んでしまっているのではないか
それもあながち間違っていない
むしろ、そう思われたほうが気持ちがいい
包み隠さずに少女は話す
何よりも大切な人に
少女はちゃんと生きていたかったと言った
その数日後
少女は大切な人の中で息を引き取った
その少女は死ぬ時に
笑っていたという
僕「なんか親近感湧く話だな」
猫「この話の本質は、言葉以上に深いものがあるよ」
僕「少女が最後笑っていた理由、その真意がまだ見えてないんだよ」
猫「そっか。じゃあ教えてあげるよ。少女は最期、『死』を喜んでいた」
僕「自分のまま死ねることをかい?」
猫「半分はそう。だけど考えてみて。普通に話していた人が、通常の理由で数日後に死ぬと思う?」
僕「いや、おもわな......まさか!?」
猫「気づいたかい。残りの半分は、大切な人によって殺されたことを喜んでたんだ」
僕「...そういうことだったのか。流石に深いな」
猫「そうだね」