第12話 感謝
感謝しなさい
子供は皆、親からこの教えを受ける
でも、この教えは本当に正しいのだろうか
親は皆、その言葉を子に言う理由を答えない
なら、感謝しなければならない理由ってなんだろう
1人の少女はずっと考えていた
来る日も来る日もそのことについて考え続けた
だが
答えは見つからない
考え続けていると、いつの間にか何十年もの月日が流れていた
少女は少しその答えを見つけた
それは
感謝という行為は
最も簡単で最も難しいという事だった
僕「最も簡単で最も難しい、ね」
猫「誰も感謝しなければならない理由を知らずに子供に教えている。その事が少女にはなん得いかないところがあったのだろうね」
僕「それに気づいたのはその少女だけ。というわけでは無いのだろう?」
猫「うん。でも、ほとんどが何も分からずに諦めちゃうのさ。ただ、この少女は違った」
僕「ちゃんと何かが見えるまで考えることをやめなかった。そこはいいとして、結婚とかはどうなんだ?ただひとりのままで考え続けてたのか?」
猫「それが昨日の話に少し絡んでくるところさ」
僕「昨日の?というと、言葉は一瞬文字は永遠って部分か?」
猫「正解。良く覚えてたね。もうそこまで言えばわかるかな?」
僕「その少女は、明確な事実を見つけて、それを文にして永遠に遺していこうとした。というわけか。素晴らしいほどの自己犠牲だな」
猫「そうだね。もう少し自分のことにも時間を割けば良かったのにね」
僕「でも、それは少女の望んだ結末だったとしたら、ある意味自己犠牲ではないのかもな」
猫「そういう捉え方もできるね。もう戻ちゃうのか」
僕「まぁ、内容的に今日はもう話すことはないからな」