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女子小学生に甘えたい  作者: 正守証
第二章 春
16/18

加速する余波に歯止めは効かない

 何という醜態を晒してしまったのだろう。好きな少女の胸元で、泣く。恥ずかしい、なんて次元を通り越してるぞ。やだ。やだ。もうやだ。会いたくない。

 あのあと、泣きながら七海ちゃんと里奈を見送り、そして数時間後、ようやく自分が犯してしまって愚行の重大さに気づき、リビングに戻らずベッドに包まり続けていた。そして、翌日。つまり今日だ。昨日の夕飯も食っていない。桜なりの配慮なのか、夕飯には呼ばれなかった。いい加減に腹も空いた。

 でも、桜に会わせる顔がないのも、また事実なわけで。とほほ。


「失望、してるんだろうなあ」

「失望じゃなくて、心配してるよ。早く行って、安心させてやりなさいな」


 いつの間に、姉さんが部屋にやってきていた。いわゆるフリル姿の姉さんは、ノーブラなのだろう、胸がぼいんぼいん揺れていて、すごくえっちでした。

 心配をしている。桜が、僕に。桜が僕を、心配している。


「‥‥‥良かったあ。良かった。安心した。ああ、良かった。ありがとう、姉さん。伝えてくれなかったら、このまま飢え死にするところだった」

「なはは~ん、いつでもお姉ちゃんを頼りたまえ!」


 姉さんを横目に急ぎ足でリビングへ向かう。がちゃり、と扉を開けた。

 僕に気づいた桜が、驚いてから、嬉しそうに、目元に涙を溜め、満面の笑みで言った。


「おはようございます、誠さんっ」


 とりあえず、桜に関しては一件落着だ。愛しの女子小学生を心配させてしまったこと、悔やまないとな。

 さて、次は明楽だ。本当の気持ちを伝えよう。告白、しよう。


 

 思い至ってからは、簡単だった。

 リビングでソシャゲをしている明楽の肩を叩き、ここでは話しづらいからと、二人で部屋まで向かう。疑心暗鬼になりながらも、明楽は付いてきてくれた。

 ドアを閉じたと同時に、明楽が喋りだした。


「で、話って言うのは?」

「ああ、前に桜のことが好きかどうか、僕に問うてきただろう」

「あー、確かに言ったな。で、好きじゃないって言いに来たのか。俺が言われるまで忘れるようなこと、今日まで憶えてたのかよ。ますます怪しいぞ」

「いや、逆だよ。──僕は、桜のことが好きだ。愛している、という意味合いでの、好きだ」

「‥‥‥‥‥‥えーと、冗談、とかじゃないんだよな」

「ああ。ずっと前から、四人で暮らし始める前から、桜のことが好きだった」

「‥‥‥そ、っか。ま、いいんじゃねえの? あ、えっと、それで、さ。お前が言うんなら、俺も言うけど、あ、いや、だれにも言うなよ」


 明楽の頬が朱色に染まっていく。覚悟を決めたように、僕を見据えて、言った。


「俺は──お前の姉さんが、遥香さんのことが好きなんだ」

「       え」

「いや、だって、好きにならないわけないじゃん! 同じ屋根の下に暮らして、毎日のようにあのでっかい胸を揺らして! 母性を感じるので、良いと思います!」

「ふーん。‥‥‥ははっ、何か妙な関係だな、僕たち四人って。ラノベかよ」

「俺がラノベの登場人物なら、『ハーレムラブコメはもうお腹いっぱい』とか、『テンプレつまらん』とか酷評されないために登場する、申し訳程度の男性キャラだよ」


 笑いながらツッコミを入れようとしたその瞬間、「ドサッ」という音が、扉の向こうから聞こえた。

 明楽が扉を開け、音の根源である床を一瞥した途端、彼は目を見開き、突如として無言になった。口を大きく開いた彼を奇妙に思い、近づいてみると。


「何をしてるんだ──姉、さん」

「あんな大声で叫ばれちゃあ、来るに決まってるじゃないの。いやはや、私のことが好きだったのか、明楽は」

「あ、あ、あ‥‥‥」閉じず、大きく開いた口で明楽は声を出す。

「そうかいそうかい、う~ん、どうしよう。うむ、付き合おうじゃないか! なはは!」

「な、な、な‥‥‥」


 数時間後、正気を取り戻した明楽は、姉さんに正式な告白をして、めでたく、二人は交際することになった。

 流行りの、「歳の差ラブコメ」というやつだろうか。まったく、どっちがラノベ主人公なんだか。

 物語が大きく動きましたね。

 プ●キュア、アイ●ツ、プ●パラ、どれも絶好調で小説なんて書いてられません。

 ちなみに近況ですが、来週受験があります。頑張ります!

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