気まずい食卓
朝8時、それぞれ皆が着替えて、オレンジ色のソファーがある応接間に来ていた。アイリスハート先生が、皆の朝食を準備していた。焼きたてのパンがカゴに沢山入っている。目玉焼き、ソーセージ、サラダが、全員の分皿によそってある。そして、デザートのでっかいプディング!皆が歓声を上げた。
「ささっ・・ワシのお手製の自慢のプディングじゃ・・早く・・おたべ」
さっそく僕たちは、ソファーに座ると朝食のパンにかぶりついた。 でも・・料理に全然に手をつけない者がいた。リカードだ。
リカードは誰が見ても落ち込んでいた。
昨日全然眠れなかったのだろうか、目の下にクマが浮き出ていた。
「どーしたんじゃ・・リカード君 料理が口に合わないかのー」 「いえ先生、そうゆうわけじゃないんです 察っしてください」
「ああー昨日・・」
アイリスハート先生が言い淀んだ。 場が急に冷え込んだ。皆、リカードを思い誰も喋ろうとしなかった。 しかし、フブキが何とか場を明るくしようと、フレデリカに声をかけた。
「フレデリカ殿、すみませんが・・そこのソース取ってもらえないでござるか」 フブキが明るく愛そ良く言った。 しかし、フレデリカは近くにソースがあるにも関わらず、それを取ろうとせず・・あからさまにフブキを無視した。
ランスロッテが、その様子を見て「何ですの・・この子、フブキ様を無視して・・何様のつもりですの」と憤慨した表情をした。
フレデリカの横に座っていたレナが気をきかせて・・魔法でソースをフブキの方に、動かした。
フブキは、「レナ殿かたじけないでござる」礼を言うが、なぜ無視されたのか全然わからない。
フレデリカにとって、フブキはデトレフをめぐる憎い恋のライバルなのだ。
また、気まずい雰囲気の食卓になってしまった。 そんな空気を打ち破ろうとするように、フウマが明るく
「このパン、美味しいでござるな アイリスハート殿・・レシピを教えてもらいたいでござる」
「ああ・・フウマ君、このパンづくりはコツがあってのー」 フウマとアイリスハート先生がパンづくりの盛り上がっていると、ツキハが
「確かにこのパンは上手い・・と言うか味がいい・・フワフワしててパリパリだ俺も、アガルダで西方のパンを食べたことがあるが・・あんまり・・でもこのパンをアガルダで売れば売れるぞ」
いつもクールなツキハが熱く語った。 一同がパン話で盛り上がってると、突然リカードが口を開いた。
「私は今すぐ・・アンネリースを・・セシリーを救出に行く・・」 リカードが有無を言わさぬ口調で言った。
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