監視する目
ヨルクガンドの誰もいない公園・・リカードは地面に魔法陣のようなものを書くとアルフィンの事を、頭に浮かべた。そして皆が、リカードにしがみついた。ビュウン・・僕らは、アルフィンへ旅立った。
そこはアルフィンのビルの物置きだった。魔法国家ズイルバーンは、ビル清掃も自動で、細身の掃除機が掃除していた。掃除機が物置きで休憩していると突然8人もの人間が現れたので、掃除機・・魔法で命が宿った掃除機はギュワーン、驚いて逃げ出した。僕達は重なり合う様に倒れていた。
「いつも思うのですが、これなんとか、なりませんか?リカードさん」
「少年よ・・すまない・・私の瞬間移動は、場所を選ぶ事を出来ないのだ」 「しょうがないでしょ・・スバル・・わがまま言わないのよ」 「アステル・・そうだね」 僕とアステルは笑い合った。
僕達は、ビルの外に出た。ここがズイルバーン帝国の首都アルフィンか・・ どこか日本の東京を思い出させる都市だ。灰色のビルディング群・・少し違うのは杖を使って空を飛ぶ人達。街角のそこらじゅうに目がある事だ。
「これは何でござるか、リカード殿」
青い大きな水晶のような目が、クルクルと何かを監視する様に僕達を見ている。
「これは魔法の目と言い絶えず、私たちを監視している。ここは独裁国家だ。・・帝国の住民達は、自由がないのだ」
「これもそうですの、リカード様」
通りを少し歩くと、また紫色の水晶と赤い宝石がクルクルと僕達を、街行く人達を見ている。
「そうだ、我々には自由がない。誰がこの目を操るのか、誰が見ているのか・・私にもわからないのだ」
リカードがため息をついた。
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