ヨランダ・アイリスハート
ここは、ズイルバーン帝国のある都市、アルフィンの郊外にある集落、別名魔導師達の巣・・モルドワール。二人の少女がここモルドワールに、杖に乗って向かっていた。五大魔導師の一人、アルバート・ノイマンの一人娘である、フレデリカとその親友のレナ・ロートオルデンだ。明日の皇帝ミカエルドの生誕祭で、何を着ていくか、ある女性に相談する為にだ。その女性は、アルフィンの窮屈な生活が嫌で、モルドワールに家を買い住んでいた。
レナとフレデリカは、ある一軒の家にたどり着いた。毒キノコのような外観の風変わりな大きな家だ。庭には草木が、生い茂り・・鶏が3羽放し飼いにされている。
二人は大きなキノコ型のドアを叩いた。
「こんにちわ、アイリスハート先生」
そうするとキノコ型のドアが開いた。黒い猫・・可愛らしい帽子をかぶった猫がフレデリカに、じゃれついた
「ようきたの〜・・二人共」 その声の主は、なんとも不思議な獣耳、緑色の長い髪をした幼女だった。
「ささっ二人共・・今日は寒いから中へおいで」 まるで熟女のような口ぶりで、レナとフレデリカを家の中へ通した。 毒キノコのような外観の家の中は、雑然としていた。本や魔法の箒・・杖・・へんてこな帽子、が乱雑に並んでいる。でも意外と居心地の良さそうな家だ。 獣耳の幼女が、暖炉に魔法で炎をつけた。そして魔法で紅茶とチョコレートのクッキー、バター味のマフィンを用意し、テーブルに並べた。
そして幼女はオレンジ色のソファーにドカリと座った。 つられて二人も座る。
幼女は緑色の髪・・キラキラ輝くエメラルドグリーンの美しい長い髪をしていた。そして髪と同じ色のキラキラ輝く大きな瞳・・丸顔の可愛らしい顔立ち、年は6歳くらい・・それ以上年上には見えない。妖精の子供の様にも見えた。しかし、口調は落ち着いていて、雰囲気も、どこか大人びていた。 赤い上着に黄色いワンピース・・肩には猫のような翼の生えた、へんてこな生き物を乗っけている。 「ヨランダ・アイリスハート先生」二人が同時に幼女に話しかける。
ヨランダと呼ばれた幼女は、獣耳をピクピクさせながら二人の話を聞いている。・・話は皇帝の誕生祭の話から、ヨランダの住む集落に話が移った。
「なんで、こんな集落に住んでいるかじゃってっ?・アルフィンはワシには合わないのじゃ・・なんせ、いつも魔法の目が監視しておる。・・ここは監視の目が届かぬからのお・・」
ヨランダが笑いながら言った。
ありがとうございます