それぞれの心の傷
ここはアガルダのヤオの剣術大会が、開催されている湊公園。僕は、エルンストの惨たらしい死に、強いショックを受けその場を逃げ出した。森の木陰で、吐いたら少しだけ楽になった。僕の後を追いかけてきた、アステルが「大丈夫?」と声をかけてくれた。
「ありがとう、アステル・・僕は大丈夫」 でも溢れ出る涙は止まらない。
「スバルー大丈夫でござるかー」
[スバル君・・君どうしたんだ」
デトレフとフブキの声が後ろからした。
「ありがとう、アステル・・僕は大丈夫」 でも溢れ出る涙は止まらない。
「スバル君、大丈夫かい」 そう言うと、デトレフが僕の肩に手を置き、優しくさすった。
「はい、デトレフさん心配かけて・・すみません・・昔の事を思い出したんです」
「昔のこと? 何を?」
「それは言えません・・言いたくないんだ」
「言いたくないってどうゆうことだ僕達、仲間だろーが。隠し事は無しだぜ 僕も言いづらい過去を話そうか・・僕はケーニヒ大学を卒業した後、大学院まで行くんだ。そして研究所に入って、医学と錬金術に関して僕は、驚くべき発見をするのだが、その研究成果を、ボーエンハイムという男に取られてしまった・・研究所の先輩だった男だ。 僕から盗んだ研究成果を、世の中に発表・・瞬く間にそれはラダ・ナーク中に、知れ渡り・・奴は、地位と名声をてにいれたんだ。・・僕は実家の宿屋を切り盛りするしがない意発明家になり・・奴は、今では、世紀の天才博士さ。・・」
「せつしゃも言いたくない過去を話すでござる」いつの間にかフブキがいた
「せっしゃの父上は、アガルダでは高名な大名だったでござる・・でも正妻がいたにも関わらず、沢山の愛人がいたでござるよ。その中の愛人の一人がせつしゃの母親でござる・・アガルダの出身ではなく西方の人で名前はジュリア・・せつしゃは生まれてすぐ、母親に捨てられたでござるよ・・アガルダでは、赤ぽっい髪と、赤い目の人は珍しく・・よく、外見の事でみんなにいじめられたでござるよ。・・そして、父上の正妻に引き取られたものの、酷い虐めを受けたでござる・・フウマとツキハは正妻の子で、腹違いではあるが・・優しく受け入れてくれたでござる。でもその妹たち・・腹違いのせっしゃの姉上達は、フユとアキは、ことごとく、せっしゃに辛くあたったでござる・・そして今から3年前・・15歳の時・・屋敷を飛び出して・・放浪の旅に出たでござるよ」 皆、いろいろ辛い経験をしているんだ。・・でも・・僕の過去は・・あの日の惨劇は、余りにも、無残で・・悲しく・言葉に言い表せない・・僕は皆に話そうか、どうするか・・悩んだ。
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