死が目の前に
金色の雲から、いきなり稲妻が落ちてきた。しかも観客席に。ある少年の体を貫いた。その少年は、水色の瞳を大きく見開きショック死していた。
「エルンストー」
リカードが観客席に飛び込んだ。 死んでいたのはエルンスト・ホワイト・・騎士見習いで、四人の侍と戦い、勝利したあの少年だ。 エルンストは、心臓が停止していた。即死だった。
エルンストは試合が終わった後、観客席にいたらしい。
「なぜ・・どうしてお前が・・エルンストー」
エルンストはリカードが実の息子のように可愛がっていた。だが、リカードは知らない。エルンストがミロク・・アステルと裏切り者のリカードを暗殺しようとしていた事を。
昴はかなりエルンストの死にショックを受けていた。自分と同じ位の少年の死。そして大きな瞳を見開いたエルンストの死体が、詩音の死体と重なったからだ。 まるで、フラッシュバックのように、あの日の光景・・詩音が惨殺された日・・の事を思い出していた。
そして・・悲鳴をあげ、昴がその場を逃げ出した。
アステルが急いで、その後を追う。 「ううっ」
昴は湊公園の森で、泣きながら吐いていた。
アステルは、そんな昴に話しかけられなかった。
エルンストの死は、事故なのか・・それとも・・?誰かの陰謀なのか
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