嫁?
フウマが言う美味い飯屋・・お食事どころ「鋭利庵」に僕達は入った。 「鋭利庵」は、お昼時なので混雑していた。比較的綺麗な店内で、従業員達が忙しく給仕をしている。
フウマが「ここがいいでござる」一番窓際の、8人がなんとか座れる大きな椅子がある場所を選んだ。
僕達は椅子に腰掛けた。すると「鋭利庵」の従業員がメニューを聞いてきた。 皆がメニュー表を見て、それぞれ食べたいものを注文した。 メニューを決めるのが一番僕が遅かったが、アガルダの海で捕れる魚を揚げ天ぷら風にした料理を頼んだ。
さっそく料理が運ばれてきた。アステルと僕とフウマは丼物を、他の5人(ツキハ、フブキ、デトレフ、リカード、ランスロッテ)は盛蕎麦を注文していた。
リカードとデトレフは、ハシの使い方に苦戦していた。
「これは、何とも難しい・・フォークのように使えばいいのだろうか・・」
「リカードさん・・パスタみたいに絡ませればいいのでは?・・ほら ランスロッテが」
ランスロッテはハシにソバを器用にくくりつけ、パスタの様に食べている。
「あーゆ- ふうに食べるんじゃないかな」
でも、上手くいかない。
フブキがクスクス笑い、リカードとデトレフにハシの使い方を教えている。
僕はと言うと、天丼風の料理をガツガツ食べていた。なかなか美味い。
甘めのタレが絶妙に絡み天ぷらもサクサクだ。久しぶりに日本の味を思い出し感動していると、突然フウマがガハハハと笑い始めた。
「美味いか?少年よ・・いい食べぷりっだ!男はこうでなくっちゃなあ・・」
フウマがバンバンと僕の背中を叩いた。僕は驚いて、思わずご飯を吐き出しそうになった。
「おっほん・・みんな食べながら聞いてくれでござる・・ヤオで5日後、剣術大会・・アガルダの凄腕の剣士達が一同に集い、剣の力を競い合う大会があるんだが・・ 拙者は優勝したらアステル殿を嫁にもらうでござる!」
えええええええっー何それ・・
一同沈黙・・
沈黙を破ったのは、アステルだった。
「なんで・・私を?一人で勝手に決めないでよ!」
「この国では侍の言う事は、ゼッタイでござる・・この国にいる限りな」
フウマが凄い剣幕で言った。
「じゃあ・・私にも考えがあるわ 私の仲間にもすごい剣豪がいるわ。・・リカードさんとロッテちゃん・・ この二人にも剣術大会に出てもらって、どちらかが優勝したら フウマさんとツキハさん・・私たちの仲間になってもらうわよ。」
えええええっ-勝手に決めていいのか?・・
今度は有無を言わさぬ口調で、アステルが言い返した。
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