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昴達を照らしていた月が煌めいていた。                  ここは、アガルダの首都ヤオ。ヤオ一番の繁華街では連日酒飲み達のドンチャン騒ぎが繰り広げられていた。                                     



赤いチョウチンが艶かしく光っていた。ヤオの大衆酒場では飲兵衛達が今日も集り酒をがぶ飲みしている。                                                            


その中で一人静かに酒を楽しむ男がいた。ツキハ・サクラである。      座敷を一人貸切り、サカズキを傾けていた。                                                     


 その上の座敷で、騒音が聴こえてくる。 アハハハ、ワハハハすごい笑い声だドスンドスン!大衆酒場が揺れるほど、ドンチャン騒ぎをする者達がいた。  




ツキハが飲んでいる座敷の上、この酒場では最上級の座敷 紅の間では・・・                                                                        

美少年を数人はべらし、花魁姿の白い女が威張りくさって キセルをプカプカ

ふかしている                               挿絵(By みてみん)                          



花魁姿の女は、白き魔女セレーネ・ヴァイスだった。            紫と赤の着物、髪飾りを付け妖艶に微笑んでいる。                                                  白い肌に真っ赤な唇、派手な化粧・・。美少年たちに花魁の姿に女装させ、踊らせている。その様子が可笑しいのか、キャはははとセレーネは高笑い。    その時だ。紅の間のふすまを強引に開けるものがいた。ツキハだ。     「フッ 上にやかましい客が居ると思ったら・・下品な女狐とはな・・また会ったな」                                   「あら・・あんたは・・誰が下品な女狐よ!あたしの遊びを邪魔しないでよ!それともアンタも紅をつけて女装してみたい? 似合いそうよね あんた」                                       



「お前の汚らわしい誘惑の術など、この俺に効かぬわ・・女狐め・・男を馬鹿にするお前の態度気に食わぬ・・成敗してくれる」               


「成敗?女に刀を向けるの?アンタは・・それとも何?アンタのもう一つの刀でかしら」                                                                     ツキハは、少し酒に酔っているようだ。                   「俺の美学では女、子供には刃は向けない・・だが例外もある。お前は人ではない、小賢しい妖術を使う女狐だ・・フふゃふゃはははッ」          挿絵(By みてみん)                           「あんた達は下に逃げなさい・・危ないから・・こいつは一筋縄ではいかないわ」美少年たちは急いで下の階に逃げ出し・・紅の間は、ツキハとセレーネ二人だけになった。月はが刀を構え振り落とした!




「秘剣、黄昏月!」




突然月の形の衝撃波が現れセレーネに襲いかかる。・・

                                    だが・・セレーネは魔法で結界を作り衝撃波を跳ね飛ばす。                                              ズガン! 衝撃波が紅の間にめり込み、壁を勢いよく壊した。                                            「今度はこっちの番よ!」                        


セレーネが魔法で煙のドラゴンを出した・・煙とはいえ、ドラゴンだ。                                         煙は分裂し、何匹ものドラゴンが現れ鋭い爪・・炎の攻撃をツキハに しかけてきた。                                                                    「くっ」!ツキハはドラゴンの煙を刀で切り裂くものの、煙は その度に分裂し 再びツキハに襲いかかる。・・                     



その時だった。「だ・旦那ー痴話喧嘩なら外で やってくださいなあー店が壊れてしまいますだー」                            この店の主人だ。                                                                                       


その声でセレーネがビビる。そういえばこの店のツケもまだ、支払いを済ませていない・そして、壁の修理代となると・・ブルブル                                                 



セレーネはドラゴンの煙にまたがり逃げ出した。・・                                                   月の光に吸い込まれるように、セレーネは姿を消した。                                    

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