桜
僕達は(昴、フブキ、デトレフ、ランスロッテ、リカード)アステルが変身した聖獣ミロクに乗り、アガルダを目指していた。
「アステル・・アガルダがどこに あるか わかる?」僕が心の声でアステルに聞いた。・・ 「うん・・子供の頃一度だけ両親と来たことあるわ・・とても美しい国よ・・でも」
「でも?・・なんだい?」
「侍という貴族が、我が物顔して威張っているのよ・・この国は・・とても窮屈な国だわ・・ここは・なるべく街中で騒ぎを起こさないようにしてね」
「そうか、わかったよアステル」 今日は良い天気だ、しかし風が強く吹き飛ばされそうだ。・・ みんなは必死でミロクにしがみついた。 僕たちは、アガルダの最南端にある島にたどり着いた。 ミロクのままで、アガルダ本土へ上陸したら危険だからだ。・・ 見知らぬ怪物の襲来にアガルダの人々は驚いてしまうだろう。 この島は幸い人がいない・・美しいエメラルドグリーンの海が眼下に広がる。
ミロクは白い砂浜に めり込むように、着地。・・
そしてミロクは僕たちを降ろすと、アステルの姿になった。・・ 「ひさしぶりにアガルダに帰ってきたでござるう・・。」 そう言うと白い砂浜に、フブキが倒れ込むように座る。 「しかし、僕は こんな美しいビーチ来たことがないよ、世界は広いなあ」 デトレフが感心したように言う。 「私もこんな・・海と言うものは初めて見た・・ずっと空の上に来らし、砂漠の国ラシークには海などなかった」
「リカードさんもデトレフさんも少年みたいに目をキラキラさせちゃって」 「茶化さないでくれないか、アステルさん本当に僕はこんな綺麗なビーチ・・ん?」 「デトレフ殿どーしたでござるか?」
「あそこにピンク色した変な木がある!」 デトレフが指さした先に濃いピンク色の桜が満開に咲いていた。 「ああ、あれはアガルダの花・・桜でござるよ・・南国で咲く桜、カンヒザクラと言うでごじゃるう・・少し近くに いってみようでござるよ・・」
一行はカンヒザクラの下で少し花見をする事になった・・。
猫耳のヘアバンド、着物風ゴスロリ服を着たフブキは 桜の下で踊りを踊り始めた。・・
思わずその可愛さにデトレフが見とれている・・ 「ゴホッ べ、別に見とれてるわけじゃないぞ カンヒザクラがあんまり綺麗だから・・」 デトレフがフブキから思わず目をそらす・・
「お兄様、口元に桜の花が付いてるでございますわよ・・」 くすくすとランスロッテが笑った。
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