リカードの過去
「・・あの子は・・あの子・・は私の娘なんだ」 「セシリーちゃんが・・あなたの・・やっぱりにね」 「娘と・・知っていたのか・・」 「何となく・・だけれどね・・アナタ達、似ているもの。あの時が感動の親子の対面という訳ね・・いいわよ・・あなたたち、出てきていいわよ・・この人は 悪い人じゃないわ・・」
茂みから突然僕たちが現れたので、リカードは驚いたようだ。・・僕たちも驚いていた、 この男がセシリーの父親だなんて・・。 セシリーの育ての親のフィオナは?・・フィオナは少し困惑した表情をしていた。 「いきさつを話してちょーだい、どしてこうなったのか」 アステルが少し威張った口調で言った。 「それは・・・今から5年前の事だ。・・」 リカードが回想する。
-私の妻マグダレーナは聖ズイルバーン帝国の首都アルフィンにある、聖ズイルバーン皇帝ミカエルドに侍女として召抱えられた。
しかし・・ミカエルドの大切にしていた古いセルロイドで、できた人形を誤って壊してしまった・・。ミカエルドは怒り狂い・・妻をマグダレーナを私の目の前で処刑したのだ。・・
目の前で処刑・・僕も詩音を・・目の前で失った・・・ブルブル僕は震えた。
フブキは僕の異変に気づき、そっと僕の肩を抱いてくれた。・・とても暖かい手だ
リカードは続けた。・・愛する妻を目の前で失った。・・大勢の人間が見ている前で絞首刑だった、・・妻は見せしめの為殺されたのだ.・・皇帝の力を誇示するために・・私はアルフィンの白薔薇の騎士団の副団長で聖騎士だった。・・ しかし、私にも危険が・・及んでいた・・私はミカエルドを暗殺する為に、妻の復讐をするために、ある計画を企てたが失敗した。・・仲間が裏切ったのだ・・。アルフィンにいられなくなり・・もうこの帝国には未練が なかったが・・ 地上にある、ラシークという国に逃げ出した。・・私は3歳になったばかりの 娘のセシリーを連れて・・そこで剣の腕を買われ・・私は用心棒として働いた。・・ だが・・ある日、聖ズイルバーン帝国から使いの者が現れ・・私がラシークにいる事が帝国にバレていた。・・その使いの者は・ズイルバーンに帰らなければ、娘のセシリーを殺すと脅され・・私は、どうすることもできずに言われるままに・・信頼していた用心棒仲間のダンゲラと言う男に娘を託して・再びズイルバーン・・アルフィンに、また戻ったと言うわけだ・・リカードが言い終えたその時だ・・。
突然・・リカードの顔に拳が飛んだ・・リカードは いきなり殴られ・・驚いている 拳の主はフィオナだった・・。その顔は怒りに震えていた。・・
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