突然・・
暖かい午前中、アステルと僕はヨルクガンドの公園にセシリーを連れて遊びに来ていた。・・公園は森に囲まれていて、様々な遊具があり・・何人かの子供達が遊んでいた。セシリーはブランコに乗り楽しそうに遊んでいる。 僕達は公園中を見渡せる大きなベンチに座り、今後の事を話し合っていた。 「あの白い魔女の言ってたこと憶えてる?」 「うん・・白い虚無の事、ヒースランドの空を目指せばいいって事・・あの方てっ いったい誰なんだろう・・僕には ちんぷんかんぷん だ」 「とりあえず、私がミロクになってヒースランドの上空を飛んでみる。・・何か手がかりが、あるかもしれないわ」 「うん・・そうしてくれ、くれぐれも気をつけて」 「大丈夫よ・・フフ・・」 そう言うとアステルが僕の手を取り、優しく握る。 もう僕達の絆は、もう誰にも たちきれない程強い物に なっていた。 あの日湖畔の別荘で キス止まりだったが愛を確かめ合うことができた。 アステルと一日でも長くいたい・・。 どんな事が あったとしても アステルを守りたいんだ。・・詩音を守れなかった分だけ・・・・。 そんな僕をアステルが心強そうに、切なそうに見つめた。 その時だ・・。まったく知らない男性が僕達の方に近づいて来た。 何かをブツブツつぶやきながら。 森に囲まれ、のどかな・・多数の遊具と可愛らしい動物のオブジェが並ぶ公園には不釣り合いな男だ。・・相変わらずブツブツと何かを詠唱しているような感じだ・・。 僕達が警戒して、思わず身を硬くしていると・・・ 男がアステルに怒鳴った。 「私は聖騎士リカード・クレッチマン・・お前が邪悪なる獣、ミロクだな・・気配でわかったぞ・・」 すると突然男の両手から白い炎が湧き出す様に現れた。・・・ 「ホーリーファイア!」男が怒鳴ると白い炎が僕たちに襲いかかってきた。
「アステル!危ない」 僕は とっさ にアステルを かばう。 このタダならぬ雰囲気に怖がり・・子ども達は いっせい に 逃げ出した。 セシリーだけは・・僕達に駆け寄って来た・・。 アステルが叫んだ。「セシリーちゃんも・・危ないから逃げて! 」 男がその声を聞くと攻撃の手を休めた。 「セシリー?」 男はセシリーを見た。
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