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初めての

僕はアステルと一諸にハノーファクライフ家が所有するヨルクガンドの湖畔の別荘に遊びに来ていた。・・今日は とても良い天気だ・・遠くの森では鳥の鳴く声がする・・余りにも静かな午後だった。                    別荘は二階建てのログハウス風の建物・・。               その別荘の二階のベランダで・・アステルが一人ボンヤリと たたずんでいた。                                    挿絵(By みてみん)                          アステルの服装は短い白いシャツ・・へそ出しで・・柄物の黄色いミニスカートを 、はいている。首には洒落た小さな十字架が ついたチョーカー・・。                                          アステルは とても眠そうで・・小さなあくびをしている。                                         僕は別荘の台所に あったラズベリーのジュースと炭酸水を割った飲み物を 二人分作りアステルに持っていった・・。                  挿絵(By みてみん)                                                                                                   ベランダにはアステルがいた。・・僕は飲み物を手渡す・・。       「ありがとう」アステルが飲み物を受け取る・・・。                                                二人でラズベリーのソーダ割りを飲みながら、湖を見つめていた。                                          僕は湖を見ながら考えていた・・詩音の事・・アステルと初めて会った日の事・・僕の両親・・クラスメート・・友達・・。               ミロクに乗りこの異世界ラダ・ナークへ やって来た。・・・半場強引に、ラダ・ナークと僕のいた現実の世界に危機が迫っている事・・。        白い虚無・・白き魔女・・詩音に そっくりな・・。旅の途中で出会い・・不思議な縁で結ばれた仲間達。 そして・・白い魔女に たぶらかされ人生を狂わさられた人たち・・顔が・・みんなの顔が頭に浮かび湖の波に消えてゆく。  沈黙が続いた後・・アステルが口を開いた・・。                                                        「何を考えているの?」                                                              「・・いや・・特に何も」僕は嘘をついた・・いろいろ考えていたのに・・。                                                                                                          僕はアステルの顔を見た・・美しい顔立ち・・でもどこか・・寂しそうだ。・・エメラルドグリーンの瞳が太陽の光に照らされて・・まるで宝石の様に美しい。本人は眩しそうだが・・。                                                          アステルが人の心を見透かす様な口調で言った・・                                                「スバル・・君の考えているの・・わかるよ・・白い魔女の事・・あいつの事考えているんでしょう」                            「そっそんな事考えてないよ・・」                                                       アステルが、僕の頬を つねる。                                                         「やめてくれよ・・この頃君はそればかりじゃないか・・」                                             「だって君は・・私を・・裏切ったから・・それも簡単に」                                                                                 僕とアステルは あれ以来ギクシャクしていた。・・           良好だった・・アステルと僕の関係は少し・しこり が できてしまった・・。                                                                     「 スバル・・お仕置きするから・・目をつぶりなさい」                                                 「えっいきなりかい?」                                                            「いいから早くしなさい」                                                            アステルが威圧的に言った。                                                           しょうがなく僕は目を つぶった。                                                                                            平手打ちかな・・それとも・・僕がビクビクしていると・・。                                            僕の唇に何か柔らかいものがあたる・・そして それが・・だんだん強く大胆になり・・僕は思わず両眼を開けた・・するとそこには・・        アステルの顔が あった・・。                                                            これは・・キス・・僕はファーストキスだった・・。                                                アステルの柔らかい唇・・面妖な感触だ・・。                                                 僕は最初は戸惑ったが すぐに 受け止め アステルの華奢な体を抱きしめた・・そしてアステルの胸元に手を伸ばした・・                                                     「今は だめ」                                                                「アステル・・」                                                                 僕は何とも狂おしい気持ちに なった。・・                                                    アステルを手放したくない・・・アステルが愛おしく感じる・・・                                                                             湖の水面が静かに波打つ・・二人を見守るようにキラキラ輝いていた。                                                                                                                                                                                                                                   

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