想い
ヨルクガンドの誘拐事件を解決した昴達 旅の一行は英雄として祭り上げられた。 その後デトレフとフブキはヨルクガンドの病院に入院したが3日ぐらいで退院できた。 そして ホテル「暁の家」は英雄達の泊まった宿として大盛況に・・ その暁の家に3週間程 昴達は滞在する事になった。・・白き魔女やヴィルヘルム達との戦いで傷ついた体・・疲労困憊した体を休める為だ。 そんな ある日の午後 デトレフは大盛況の宿の手伝いで てんてこまい だった。 昴とアステルはヨルクガンドのデトレフの家が所有する湖畔の別荘に遊びに出かけ・・フィオナとフブキ・セシリー・ランスロッテはヨルクガンドの繁華街にいた・・。 とりわけセシリーは とても楽しそうだ・・・。 こんなに活発なセシリーは・・初めてだ・・とフィオナは思った。 セシリーは おとなしく 無口でラシークでは小学校に通っては いたものの友達が できず 小学校に行かなくなってしまった。・・・ フィオナは その事で少し悩んでいた・・セシリーには自分の受けられなかった教育を受けさせたかった。しかし・・セシリーは 自分が売られた子のせいか・・他人・・特に大人に対して心を開くことができない・・・・・。 唯一親代わりのフィオナだけ・・心を開くことができた・・。 いつもオドオドしている子が こんなに楽しそうに はしゃいで 。 フィオナは嬉しかった・・いつもセシリーの幸せを望んでいるからだ。 セシリーには幸せになって欲しい・・。自分が掴む事が出来なかった自然な恋をし・・好きな人と結ばれ幸福な家庭を築いて欲しい・・神様・・それくらい・・いいだろう・・ この子は余りにも これまで 酷い人生を歩んできた・・誰にでも幸福になるチャンスはあるはずだ・・。 フィオナ自身も今まで 酷い人生を歩んできた・・子ども の頃 両親に売られ・・少女娼婦として生きなければならなかった。 辛い毎日の中・・剣の練習をした・・自分を守る為に 体格にも恵まれ・・運動神経の良いフィオナは 様々な剣の大会で優勝し・・いつしか国で一番強い剣闘士になっていた・・ しかし・・まるで自分はヴィルヘルムに歯が立たなかった・・。 アタシより強い奴がいた・・もっと剣術の練習をしなくては・・自分には剣の道しかない・・他の道はないのだから・・剣と共に生き死ぬ覚悟だった・・。 そんなフィオナの悲愴な決意とは裏腹に とにかく 明るい他の三人 皆でオープンカフェで食事しようとゆう話になった。 フィオナ達は さっそくオープンカフェを見つけ・・椅子に座った・オープンカフェは昼時なので なかなかの盛況ぶりだ。 フィオナは今日は いつもの戦闘服姿ではなく・・クリーム色のワンピースを着ていた そして麦わら帽子・・今日のフィオナは とても 柔らかく・・女性らしく そして とても 美しかった・・ 戦闘の時の厳しい表情は薄れ・・優しく柔和な表情をしていた・・。 ウエイターが来て 一人ずつ注文を聞き去ってゆくと・・くつろいだように・・4人は 喋り始めた・・。 「ワタクシ・・庶民の店に入るの初めてですわ・・ここ・・美味しいのかしら・・」 「ランスロッテ殿は人形なのに食事が取れるのでござるか?」 「そうですわ・・一応食べられますわ・・フブキ様・・お腹も すくし 生理現象も人間と同じですわ・・ただ人間と違い ワタクシ いくら食べても太りませんの・・お兄さまが私を そう 造ったんですわ」 「へー・・ロッテちゃん そうなんだ・・すごい」 ロッテちゃん?・・そうかセシリーはランスロッテと友達に なったのか。 そう言えばセシリーは8歳・・ランスロッテは12歳くらいだろう・・ 。 年がそんなに離れていない・・ランスロッテは人間では無いようだが・・ セシリーに友達が出来た事がフィオナに とって・・なんとも喜ばしいことだった・・ 「フィオナ殿?・・何をボーッとしているでごじゃるか?・・」 「いやいや・・何でもない・・今日は いい天気だな・・ハハハハ」 そうこう している うち に 注文していた料理が運ばれてきた・・ みんなが 注文したハンバーガーやらサンドイッチに かぶりついた・・
一方フィオナは・・サンドイッチには手をつけず・・楽しそうなセシリーを見つめていた・・母親の瞳・・自分の子供を愛おしく見つめる様な・・それはそれは 優しい まなざし だった・・
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