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解放

「デトレフさん達を助けに行きましょ」アステルがクルリと僕に背を向け駆け出した・・アステルは怒っているように思えた・・僕は知らず知らずに裏切ってしまった・・ごめん・・アステル・・心の中で詫びた・・そしてヴィルヘルムの方を見た 死んでいるのか?・息をしている気配はない でも顔は微笑んで・・安らかな表情だった 元は・・狼男になる前は 人間の青年・・白い魔女に たぶらかされ怪物になってしまった この青年にも家族や友人が いたはず・・恋人も いたかもしれない そう思うと・・やりきれない気持ちになった・・     白い魔女に運命を狂わされた人達・・カストゥール・・そしてヴィルヘルム・・ もっと被害者はいるに違いない・・僕も幻惑された・・       詩音に そっくりな白き魔女 右目・・紫の瞳以外は・・。          あの女を安易に逃がして良かったんだろうか・・             後味の悪い結末になってしまったようだ。                                                                                                                              僕たちは螺旋階段を上がり 城の塔の部分にたどり着いた・・       塔の部屋・・薄赤い部屋は 魔法が解けた様に静まり かえっていた・・    その牢獄の様な部屋にデトレフと吹雪がいた・・二人共 衰弱しているが どうやら無事なようだ・・                          「デトレフお兄様ーご無事でしたのねー」 「ラ・・ランスロッテ・・それにみんな・・」 僕達が二人に駆け寄る いつの間にかデトレフ達を とらえていた 拘束具は外れていた・・デトレフとフブキは自由の身に なっていた                                                                                                                                   「すまない・みんなに迷惑を かけて しまった・・」       デトレフが 僕達に 詫びた・・自分のつまらないプライドの せい で  みんなを 巻き込んでしまった事に本当に反省してるようだ・・。      今までのことをデトレフ達に話した・・白い魔女・・ヴィルヘルムそしてランスロッテが大活躍し・・白き魔女を追い詰めたことを・・「へーランスロッテが・・みんなを・・さすが僕の秘密兵器だ」     「レディに向かって秘密兵器はないですわ・・お兄様・・戦う乙女と 言って欲しいですわ」 ランスロッテが抗議した・・               「わ・・わかったよ・・戦う乙女」                   挿絵(By みてみん)                                                                                                                                                                                                                                                    デトレフの辟易した様子が面白く皆が笑う                 挿絵(By みてみん)                                   するとフブキが「せっしゃ も 戦う乙女でごじゃる・・まだまだ半人前でござるが・・もっと強くなって皆をデトレフ殿を守るでござるー」         「本当にアンタはもう・・無茶ばかりするんだから・・まず自分の身を守ることに・専念しなさいよ」       そう言うとアステルがフブキの頭を軽く小突いた・・           「アステルは厳しいでござるー」・・温かな笑い声が冷たい塔の部屋に響いた・・                                   すると・・「そこに人が居るのか?・・」若い男の声が聞こえた・・ゾロゾロと大人数の人間が塔の部屋に入ってきた    青年が8人くらい・・皆・かなり 痩せこけ・・衰弱している・・そうか ヒースランドの新聞で見た魔女に誘拐された若者達だ おそらく・・デトレフ達と同じく拘束具が解けたのだろう・・そこには・・大ねずみ だった・・トマスと言う青年もいた・・もう魔女の呪いは解け人間の姿に なっていた・・。                   デトレフが大声で言った・・「そろそろ ここ を出よう・・もう・・こんな所ウンザリだ」                                                                                                       いきなり・大所帯に なった一行は急ぎ足で城の出口を目指した・・   もう朝だ・・太陽の光りが眩しい・・城の中に充満していた邪気は失せ・・城は かつての静寂を取り戻していた・・途中大広間に寄り・・ヴィルヘルムの亡骸を皆で担ぐと城の内部を よく 知っているトマスが先頭になり・・なんとかノイスヴァインスタイン城から帰還した。・・・                 城の近くの墓場の墓守が僕たちに気づき その異様な光景・・大人数で死体を担いでいる・・・に 驚き・・辺りは大騒ぎになった。                                            何とか・・ヨルクガンドの誘拐事件は解決 出来た・・          闇の中で戦っていたので・・朝方の太陽が本当に眩しく・・暖かく感じられた。・・                                                                                                                                          

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