追い詰められたセレーネ
ランスロッテが剣を構えた・・優雅にワルツを踊るようにランスロッテが宙を舞い始めた すると 炎で焼き焦げたはずの 白いゴスロリ風のドレスが みるみるすごい速さで 綺麗に元通りになった・・ランスロッテは魔法が使えるようだ・・白き魔女も負けてはいない・・急いで魔法の玉を造り出し 再びランスロッテを攻撃しようとした その時ランスロッテの凛とした声が大広間中に響き渡った・・ 「ブルーメ・ヴァルツァー!」その時ランスロッテの剣先が弧を描いた すると空間に 強大な曲線が現れ・・もの凄いスピードで白い魔女セレーネと 魔法の玉を弾き飛ばした・・ 「グゥ・・・」 セレーネは曲線に弾き飛ばされ大広間の壁に体を おもいきり叩き つけられた 「ワタクシの受けた侮辱はこれくらいでは 収まりませんわ」 ランスロッテがニヤリと笑った・・ 「あんた・・けっこう・・やるじゃない・・でも」
セレーネが急いで空中に結界を作り・・防御した 「これで・もう・あんたの攻撃は効かないわよ?」 セレーネに心を狂わされ怪物になったヴィルヘルムは・・ミロクの口から吐き出された紅蓮の炎に身を包まれていた・・ そしてヴィルヘルムの体は序々に凍りついてゆく・・ ヴィルヘルムの体から血が噴き出す・・ だが・・ヴィルヘルムは非常に安らいだ表情だった・・ 狼男が人間の姿に・・かつての美しい青年の姿に戻った それと同時にミロクはアステルの姿に戻り・・昴はミロクの体内から・はじき出された 「いてえ・・手荒いな・・いつもの事ながら」昴がブツブツ言った・・ 「しょーがないでしょう・・もう。」 アステルがそう言うと昴の頬を思い切り つねる。 「あっいたっ」 昴が頓狂な悲鳴をあげた・・ 「私を裏切った罰・・これ以上のオシオキしてやりたいけど・・今は我慢するわ」 アステルが昴に背を向けると・・フィオナ達の元に かけだしていった セレーネは追い詰められたネズミの様にブルブル震えていた・・ 結界・・ランスロッテとフィオナの攻撃を遮断できたが・・セレーネは防御に固執し・・攻撃をする事ができない・・思わぬ強敵ランスロッテが現れ・・驚きと恐怖で固まっている・・・それでもセレーネは美しく妖艶だった・・ アステル・フィオナ・昴・そしてランスロッテに・・囲まれ・・セレーネは泣きながら嘆願した・・ 「お願いよ・・ヴィルヘルムの事や あんた達のお仲間の事も ほんの遊び心だったのよ・・」 「そんな事よりアンタが白い虚無なの?・・カストゥールの事もアンタが裏で手を引いたの・・」 アステルが縛り付けるように質問した・・ 「ああっカストゥールてっラシークの大金持ち?・・あ・あたしが・・誘惑したのよ・・永遠の命が手に入るからってっ薬を飲ませたワケ・・」 「もう・・男なんて・・これだから・・よりによって こんな女に・・」 アステルが憤慨・・ セレーネが続けた「 私が白い虚無?・・私はそんな大物じゃないわ・・ それは あの方が関係してるわ・・」 「あの方てっ何なのよ」 「私が言えるのはここまでよ・・あの方について知りたいのなら・・ヒースランドの空の上を目指せばいいわよ・・ねえ・・もう 許してよ ここまで しゃべったんだか・・ら・・」 セレーネが一瞬結界を解き・・火の玉を造ると・・バガーン・・火の玉が城の大広間の 天井を突き破り ぽっかり と 空間ができた・・セレーネは急いで宙を飛びその空間に逃げ出した・・アステルたちが あっけに取られてる内にだ・・ それから白き魔女の気配は消えた・・ 「逃がしても良かったの?」昴がアステルに聞いた 「あの女は小物よ・・当分悪いこともできないでしょう・・それとも何?君は情がうつって・・もっと・・あの女と一諸に いたかった?」 「うう・・それは・・」 「まあ・・それは後で・・デトレフさん達を助けにいきましょ」 昴は思った・・もう アステルには頭が上がらないと・・・
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