誘惑
ミロクはノイスヴァインスタイン城に到着した・・「フブキとデトレフさんは この城の塔に捕らえられているのを感じるわ・・急がなくちゃ」 いつの間にかミロクからアステルに戻っていた さっそく城の中へ僕達は入っていった・・ 「あら・・どちら様かしら・・私の家に また不法侵入者が来たわよ」 デトレフとフブキ へ の拷問に飽きて大アクビをしていた所だ・・ 城の内部に侵入者が いると・・魔法の鏡がセレーネに伝えた 「フフ 面白いことになりそうだわ・・」セレーネが魔法の杖を振るった・・ すると自身の黒い衣装から・・白いドレス姿に変身した・・ 「来客を 丁重に お迎えしなければ」・・まるで淑女のように微笑んだ 僕たちは城に棲み ついている ネズミやコウモリを追い払うのに苦労していた・・ それに城の中は暗く・・月の光を頼りに真っすぐに進んで行った そして大広間にたどり着いた・・何か人?・・いや邪悪な者の気配がする その時! 「あーら・・いらっしゃーい」 暗かった大広間がパァッーと明るくなり・・ 陽気な声の主が現れた・・ そこには白いドレスの美少女が宙を浮いていた・・ 「ようこそ・・ノイスヴァインスタイン城へ」 淑女のようにドレスの裾を掴み優雅に おじぎ を した・・ 「し・詩音?・・・」 「はぁ? 誰よ・それ」 白いドレスの美少女が僕を睨んだ 穢れなき滝の様な白くて長い髪 青ざめた月の様な真っ白な肌の色 顔立ち・・体型・・全て 僕の死んだ幼馴染の丘江詩音に酷似していた・・ ただ一つだけ 違う所は 瞳・・美少女の瞳は 右目は深い紫色・・でも 左目は金色だった・・詩音と同じ色の瞳だ 「なによ! あんた・・私の事 ジロジロ見ないでよ・・私が・・あんまりにも綺麗だから一目ぼれしたのね・・」 「スバル・・・ 」 アステルの声が大広間に響いた・・・ 「あんた・スバルてっ言うの 可愛い顔しているじゃない 私の下僕にならない?」 声まで瓜二つだ・・昴・・詩音に呼ばれているみたいだ・・・ 僕は吸い込まれるように詩音に そっくりな美少女に近づく・・ 宙に浮いていた美少女が 僕のすぐ近くに降りてきた・・ そして 手を僕に差し出した・・・ その時だ・・フィオナの怒号が響いた
「スバル そいつは邪悪な白い魔女だ・・惑わされるんじゃない!」 フィオナもまた・・白い魔女に幻惑されそうになっていた・・ そして やっと正気に戻り昴を叱りつけた・・魔女には男も女も魅了する不思議な魔力があるらしい・・ だが・・昴は 正気に戻らない・・どんどん目が うつろ に なっていく・・
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