貴族の血・生娘の血
ヨルクガンドにある白き魔女が棲むと言われるノイスヴァインスタイン城・・は異様な空気に包まれていた そこを一組の男女が目指していた・・デトレフとフブキである・・デトレフの愛車ブッカティ・オベロンに乗り・・1時間程度で城に着いた・・「アステル達・・せっしゃ達が突然 いなくなって心配してるでごじゃる」「しょうがないさ・・彼女らを巻き込むなんて出来やしない・・これは僕のプライドを賭けた戦いだから・・」 「でも・・なぜ・・せっしゃ は 連れてきてくれたんでごじゃるか・・もしや・・せっしゃ の事・・」 「そ・そんなんじゃ・ないよ!君が侍将軍だったてっ言うから・・すんごく強いんだろう?」 「そ・そうでござる・・めちゃくちゃ せっしゃ は強いでごじゃるよ・・」 フブキは自信が無さそうに言った・・ 「デトレフ殿の秘策とやらは?その黒い棺桶は?」 「今は内緒だ・・お互い生きて帰ろう・・必ずだ」 「ハイでごじゃる」 二人は廃墟の城の中へ入っていった・・フブキにランタンを持たせ・・その明かりを頼りにズンズン デトレフは進んでゆく・・ フブキの手を引きながら・・・フブキはデトレフの事を・・とても頼もしい青年だと・思った・・ フブキは生まれてこのかた・・人に守られた事がなかったから・・前を歩くデトレフの背中に見とれていた・・その時突然大きなネズミが現れた・・・ 驚く二人・・その様子を面白がるように・・ネズミが・・鳴いた・・ そして・・話かけてきた!「 あなた様方をセレーネ・ヴァイス様がお待ちです・・私についてきてください」 言われたとおり二人はネズミについていく事にした 廃墟の城の中は夜なので まっくら だった・・なんとか・・弱いランタンの光りを 頼りに進んでいった・・ そうこう する内に大広間にたどり着いた・・この城に まだ 貴族が住んでいた時に盛大な舞踏会が行われていたであろう・・少しその名残があった・・ すると大きなネズミが突然人間になった・・またまた驚く二人・・ 「ご苦労様・・トマス・・」少女の声・・フブキがランタンでその声の主を照らすと・・ 白い長い髪・・黒いマント・・まだ女とは言えない16歳位の美少女が偉そうに玉座に腰掛けていた・・
「お前が白い魔女か・・」デトレフが マスケット銃を用意しようとした・・その時 グニャリとマスケット銃の銃口が曲がってしまった・・ デトレフが驚いていると・・セレーナが「そんな物で私を倒せるとでも・・思って・・随分と舐められたものだわ・・フフフ・・」不敵に笑う・ 「あなた達は私の罠に かかったの・・私の下僕のヨハンが・・あなた達を ここに連れてきてくれた・・私が芝居をさせたのよ」 「ヨ・ヨハンだってえ・・僕の友達の?」 「そうよ・・ヨルクガンドの男達は大半が私の下僕なの・・」そしてセレーネがいきなり厳しい口調になった・・・ 「私が欲しいのはお前達の血よ! 誇り高きハノーファクライフの血と穢れなき人間の生娘の血!」 フブキが顔を赤らめた・・「生娘てっ せっしゃ の 事でごじゃるか?・・何故経験ないってっわかったでござるか?」 「ふっ・・大体匂いでわかるのよ」 セレーナが からかうように 言った・・ そして・・「ヴィルヘルム・・いらっしゃい・・この二人を捕らえるのよ」ぐるるる・・不吉な鳴き声が闇から聞こえてきた・・
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