廃墟の城
小さな街ヨルクガンドには白き魔女の城と言われる有名な廃墟の古城がある
ノイスヴァインスタイン城・・地元の者は昼でも近づかない いわくつきの城だ・・墓場の すぐ近くにあり 異様な雰囲気を放っている 白い魔女の住む城・ヨルクガンドではそう噂されていた 城の中は朽ち果て・・はるか昔の壮麗な面影はない 朽ち果てた玉座に白き魔女が座っている・・ 自分の白い長い髪で遊んでいる・その姿・しぐさ は あどけない少女のようだ深い紫色の瞳の右目 左目の瞳は黒い眼帯に覆われている 「セレーネ様・セレーネ・ヴァイス様・・」 一人の青年が玉座に座る白い魔女に 膝まずき 囁く 「貴女を狂いだしそうなくらい愛しています・・私は貴女の為に全てを 投げ出した・・両親・・恋人・・自分に あったはずの輝かしい未来まで 両親を殺し・・相続した莫大な財産も貴女に捧げた・・なのに何故・・・ 貴女は私に振り向いてくれないのですか?」青年が顔を上げた 美女と見まごうばかりの美貌の青年だった・・ブロンドの髪・・緑色の瞳 だが青年は酷く衰弱しているように見えた・・ 「ヴィルヘルム・・これを・・飲みなさい」白い魔女セレーネが・どこから 取り出したのか・赤黒い液体の入ったワイングラスを青年に差し出した 青年は すぐさまワインを受け取ると がぶ飲みした・・それがまるで愛の 証しであるように・・「ぐっ」青年は苦しそうに うめき ワイングラスを 床に落とした・・青年の様子がどこか おかしい・・緑色の瞳が・赤黒い色に 変わり・・ブロンドの髪は銀色に変わった 「ぐるるるる・・」青年が うなり声を上げた・・セレーネが・・微笑んだ 悪戯を成功させた子どものように・・・・
その頃・・ホテル「暁の家」の一室では・・デトレフに危機が迫っていた! 「デトレフ殿にはこれが似合いそうでござるー」「こんなの着れないよ」 フブキが自ら作ったゴスロリ服をデトレフに着させようとしていた! 「デトレフ殿は・・とても痩せているから似合いそうでござる・・きっと可愛いでごじゃるよー」 「あのねー僕が何でこんな服着なくちゃいけないんだ」 「だって・今・・ヨルクガンドでは若い男が狙われているでござろ?・・女の子 に変装すれば狙われないでござるよー」「ま・あ・・それも一理あるな・・じゃあ着てみよう・・」デトレフがゴスロリ服に着替えている最中だった・・・ 「せっしゃ は後ろを向いてるでごじゃるよ・・デトレフ殿も恥ずかしいでごじゃろうから・・」 その時ドアが不意に開いた・・「あっスバル殿・デトレフ殿が今着替えてるてござるよ・・とても・・めんこい でごじゃろう」 僕は思わず絶句した・・デトレフはロリコンで重度の変態で女装野郎だったのか・・ コイツ・・変態のデパートだ・・デトレフに対する嫌悪感が・・深まる僕であった・・




