贅沢な暮らし
「我が名はアンネリース 私はセシリーじゃない あなたなんて、知らない」
セシリーは毅然とした態度で、リカードを突き放した。そして、
リカードに罵詈雑言を浴びせた。今までの恨みつらみ。を父であるリカードに、ぶつけた。
リカードは、ただ、黙って耐えていた。自分は酷い父親だ。そう、娘のセシリーを捨てたのも同然だからだ。
フィオナは、それを見ていてリカードが、だんだん、哀れに見えてきた。
そして、ついには、セシリーが、リカードの顔に、つばを吐いた。さすがにもうこれ以上、見てられない。
「セシリー いい加減にしろ お前の気持ちもわかる でも 実の父親に そんな事してもいいのか?あたしも こいつ(リカード)の事は、正直、気に入らない 軽薄で自分勝手でショーがない奴だ でも 命がけでお前を助けに来てくれたんだ」
フィ、フィオナ姐さん。そこまで言わなくても。リカードは内心そう思ったが、何も言わなかった。
水色のネズミが突然、セシリーに話しかけた事で、セシリーは唖然としたが、その声に気ずいた。
「フィオナお姉ちゃん?」
リカードに捨てられたも、同然のセシリーを、母親がわりに育てた。フィオナが頷いた。
「セシリーここにいては お前はダメになる 奴、ミカエルドの事だ 飽きたら 玩具の様にお前を捨て去る 殺されるかもしれない。お前は あの時 フブキとランスロッテの命をもて遊んだだろう」
セシリーは、黙りこんだ。そして、シクシクと泣き始めた。
「あたしたちと一諸にここを出よう お願いだ お前の第二の母親として、だ」
フィオナは、できるだけ諭す様に、優しい口調でセシリーを、説得した。しかし・・・・
「いやだ いやよ あたしは ここの贅沢な暮らしを捨てたくない 朝起きたら ご馳走を食べて そして たまにミカエルド様の遊び相手をして そして綺麗な上等なドレスを着て あたしの我儘の為なら何でも聞くメイド達が居て」
そう、まくしたてるセシリーは、餌を貪る、子豚のように浅ましかった。
「あたしの足の爪も綺麗にしてくれるのよ こんな生活 手放すわけないよ。」
セシリーは、狂うように笑い始めた。人の心を忘れた様に。
そして、部屋のカーテンの横の、赤いボタンを押す。
「来て アルフィンガード こいつらを根こそぎ 殺してしまいなさい 命令よ」
アルフィンガードとは?セシリーは人の心を失ってしまったのか。
セシリーが高らかに笑う。悪魔の様に。
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