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我が名はアンネリース

その頃、リカード達は。まんまと、ミカエルドの部屋に、下水道をわたり、部屋に小さな穴を見つけて、忍び込んだ。



ミカエルドの部屋をリカードネズミ達が見回す。セルロイド人形、絵本、数々のおもちゃ。が積まれている。まるで、子どもの部屋の様だ。とても大きな部屋で、寝室と、遊び部屋の様なものが、分かれている。


リカードは、ミカエルドの部屋の場所を、よく知っていた。その昔、ミカエルドを護衛する、騎士団の団長だった。


セシリーも、ミカエルドも、不在のようだ。一同は拍子抜けする。



「ねえ リカードさん あんまりセシリーちゃんに 強く言っちゃだめよ あの子はまだまだ子どもなんだから 優しく説得するの まだまだ未来のある子なのよ」


「・・・わかっている それは だが あの子は罪を犯した 複雑な気分だよ アステル 今や私は ミカエルドを狙う復讐者だ 皮肉なものだ。君は優しい子だな アステル 多分 裏表のない・・・」



ピンク色のネズミ、アステルネズミが可愛く舌を出す。


ふと、セシリーにそっくりな、肖像画が壁にかけてあるのに、気がつく。



可憐な少女が、白い薔薇を手にして、微笑んでいる。その姿は、ほっそりしていて、以前のセシリーのままだ。



「なんて美しい 口説きたーい!」




デウス王のネズミが、感嘆の声をあげる。そして、肖像画にキスをしようとした。



「ちょっ デウス王様 何やってるのですか 王家の人間が はしたない」


と、エステバンネズミがデウス王をたしなめる。


その時、ミカエルドの部屋のドアのカギがガチャガチャと、開く音が聞こえた。



ミカエルドか?それともセシリーか。



白いネグリジェの裾が揺れる。そして、ぽっちゃりした足が。


セシリーだ 。 リカードの瞳が輝いた。そして、居ても立っても居られず。



声をかけてしまう。



「セシリー 私だ お父さんだよ お前を迎えに来たんだ ここを出なければ」




突然、金色のネズミの 姿のリカードに、話しかけられ、面食らうセシリー。自分を父親だと、名乗る、ネズミが部屋に突然現れ、驚かないはずがない。


「ギャー汚らしいネズミがいるー誰か来てー」


「私はネズミではない お前の父 リカード クレッチマンだ セシリー」


リカードはネズミの魔法を、解き、人間の姿の戻った。


「 お父さん?嘘 」


リカードは、セシリーをいとおしさから、思わず抱きしめようとした。しかし。



「我が名はアンネリース 私はセシリーじゃない あなたなんて、知らない」


毅然とした態度で、セシリーは、リカードを拒絶した。

読んでくださり、どうもありがとうございます。

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