白き魔女
「そこで何をしている」低い男の声が後ろで聞こえた セシリーが振り向くと……そこには……ランタンを手に持ち茶色いガウンを着たデトレフが もの凄い怖い顔でセシリーを睨んでいた……いつものデトレフとは何か違う……「君……その人形に何をしようとした……」「わ……私は……ただ……違うの この お人形さんが……」「人形がどうしたんだ……えっ?」デトレフは持っていたランタンをセシリーの鼻先に近づけた……セシリーは ただならぬ雰囲気に怯え……大きな青い瞳を おもいっきり・見開き……「うわーん」思い切り泣き出した・突然セシリーが大声を出したのでデトレフが驚いて……「いや 君……そんな大声で・困ったなあ……」デトレフは しどろもどろになった……その時「お前……セシリーを泣かせたなあ」ドスの効いた女の声が聞こえた……デトレフが後ろを振り向くと紫色のネグリジェを着た長身の女が……仁王立ちで 立っていた……フィオナだった……「フィオナお姉ちゃん!」セシリーが安心した様に叫んだ……「この人が……怖い顔して私の鼻先に……」「一諸に寝てたはずのセシリーが……いなくなったから……変だなと思って……探してたら……お前 アタシの可愛いセシリーに何をしようとした! この・ロリコン変態野郎! セシリーの鼻先に何を近づけようとしたんだ!」「ナニをって……誤解だよ! この子が僕の大事なモノに 触ろうとしたから……」「セシリーが お前の大事なモノを触ろうとしたあ? ・だとお……お前が触らせようとしたんだろう! コイツ……とんでもない野郎だ……」フィオナが両手をボキボキ鳴らす……「違うの……フィオナお姉ちゃん……この人は……」「ソーダよ……僕はロリコンじゃないよ! ……この子が僕の大切なランスロッテに触ろうとしたからさ……!」「ランスロッテ? 誰だそれは……?」フィオナが眉を ひそめた 「この子……この人形のことさ……いや……普通の人形じゃないんだ 生きてるんだ……この子は……」 その頃 ヨルクガンドの墓場……一人の少女が立たずんでいた 白くて長い髪……黒いマント……金色の不思議な形をした杖……このヨルクガンドの墓場には夜 白い魔女が出没すると噂で街の人々は誰も 近づかない……猫の不気味な鳴き声が聞こえてくる……
少女は微笑んだ……怪しく……赤い唇が血を連想させ……紫色の瞳……は深い夜を思わせた……少女は左目に黒い眼帯をしていた……少女が おもむろに……黒い眼帯を外した ……「私は全ての人間に……復讐を……する……」少女が……不気味に つぶやいた……
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