金欲にまみれた最後
カストゥールにアステルが駆け寄る 「カストゥール! しっかりして!」「アステル……」カストゥールは気がついたようだ 「ふふ・お前に倒されるなんて……思いもよらなかった……あの聖獣ミロクがお前だったなんて……アステル……俺はお前を愛していた……だから 売れなかった……俺の父と母は病気で死んだ 俺が金持ちになる前だ 貧しく薬も買えず病院にも通うことができなかった……そして二人は地獄の様に苦しんで死に……俺は それから死に物狂いで金持ちになろうとした……悪いことにも手を染めた……そして……いつの間にか醜いモンスターに なっていったと言うわけだ はははッ この先世界は 俺たち・人間の姿をした怪物たちが のさばる世の中になるだろう……白い虚無の……おかげでな・白い虚無……ヒースランドへ行け……白い虚無の正体が少しわかるかも知れない……喋り……過ぎた……アステル あの世で会おう」 「カストゥール……」アステルがカストゥールの亡骸を抱きしめ泣き始めた……僕はアステルに何も言葉を かけてやれず……ただ・立ち尽くすだけだった その時だ 「アステル……スバル……せっしゃ ここにいるでござる 危ない所を フィオナ殿に助けってもらったでごじゃーる!」 「カストゥールはどこだ! あたしは奴を探している……」けたたましい足音と共にフブキとフィオナが 戦いが終わり家具も調度品も めちゃくちゃになった廃墟の様な邸宅に入ってきた…… そして僕たちを見つけると駆け寄って来た…… 「何? カストゥールが……死んだ?」フィオナが驚いたように言った アステルが今までの事を話した 「カストゥールの奴がバジリスクに……どーゆー事……なんだ まあ 奴は本当に怪物だった 罪も無い女・子供を拐い奴隷市場に・流していたんだ 自分の手下に命じてな……アタシはカストゥールの事を調べていた 奴は表向きは実業家だが同時に奴隷商人だった……お前の仲間も奴の手下に さらわれ売られそうになったんだぞ……」「そ・そんな……そう……あの時の言葉が……わかったわ……」アステルは思い出していた お前を愛していた だから 売れなかった……僕はカストゥールの亡骸を見つめていた……どこから入ってきたのか ジュエルモンスター達がカストゥールの死体を貪り始めた・宝石の体をキラキラさせながら……金に翻弄され悪魔に魂を売り渡した男の……最後の姿だった 「でも・ヤバかったでごじゃる……あの男にHな事されそうになったでござるよ」 フーとりあえずフブキが無事で良かった……それにしても何故カストゥールは怪物になったのか……白い虚無……ヒースランド……謎が尽きない
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