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悲しいです

……なぜどうしてこうなった。冷たくなり、血だらけで息絶えた詩音を抱きしめた。

混乱する頭をどうにか 正常に戻そうとした。でも、言葉が出ない。


あれは4時間前僕は詩音と廃ホテルに忍び込んだ。詩音が廃墟を探索しようと言い出した。



僕は断ったが、詩音の強い押しに押されて、詩音は一人でも行くと言い出し、僕は、折れて彼女についていく事にした。


そこは いかにも不気味な廃墟だった。 落書きだらけの壁、 朽ち果てた家具、 所どころ破られたガラス。

二人で廃ホテルを探索中。 

「なんだ お前ら」

僕らは思わずその声に振り向いた。


地元の不良グループ暴走族風の男達がニヤニヤして僕らを見て笑っている。


「へえ・すげえ 可愛い子連れてんじゃん……お前」

「まずい・詩音逃げよう」

「うん」


しかし・僕らは6・7人の不良グループに囲まれた。  

バキ 乾いた音が 廃ホテル中に響き渡り……僕は殴られ気を失った。そして、気が付くと僕は男二人に取り押さえられ、詩音は男達に乱暴されている最中だった。


「よせやめろ離せ!!」


僕は詩音をなんとか助けようとしたが、身動きができない。

かわるがわる男達は、詩音の体をもて遊び……詩音は体を痙攣させ……大きな瞳を見開いたまま……声なき声を発している。

僕は力が抜け絶望感で震えていた。その時のことだった。

「やべえ・コイツ死んでる」

男の一人が驚き怒鳴った。よほど詩音は ショックだったのだろう。 彼女の口は ぽっかり開き泡が吹いていた。大きな瞳金色の瞳は見開いたままだ。 彼女は体をピクリとも動かさない。


「やべえ逃げようぜ」


男たちは逃げ出した……詩音が死んだ? ・僕は状況を飲み込めずにいた。男たちは全員逃げ出し廃墟は元の静寂を取り戻した。

 僕は 直ぐ様 詩音に駆け寄り……その冷たくなった 体を抱きしめ・大声で泣いた・狂ったように……


「誰か誰か 助けて……助けてください」


それから先は ほとんど 覚えていない……詩音を抱えこみ・なんとか 廃ホテルを抜け出すと、僕たちの異様な様子を見て誰かが救急車を読んだ。僕は病院で精密検査を受けたらしい。僕の母の話では。


でも・なんとか無事で4日間の入院で済んだ・だが詩音は・亡くなっていた ショック死だった      


僕はもう何もすることができなくなった・その日以来笑うことができなくなった  かけがえのないものを失い 高校にも行けず家に引きこもる様になった……絶望感・絶望の二文字が僕を襲う。どうすればいいのか、もうわからない。



読んでいただきありがとうございます

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