消えた仲間
ごめんなさい。今回は挿絵がありません。次回からは挿絵がありますので、よろしくお願い致します。
「ああ ツキハは、いったいどこへ…消えたでござるか。ううう。煙の様に消えたでござる。」 ツキハの兄であるフウマは、落胆した様に天を仰いだ。他の仲間達も、呆然としている。 それは、まるで、一舜の様にも、永遠に時が経たない様にも思えた。要するに、不思議な出来事と言う事だ。 あの時、セレーネに誘われたツキハは、セレーネが造り出した空間、闇空間に飲み込まれる様に、入って いった。だが、すぐに現実の空間に戻って来た。仲間達の元へ帰って来た途端に、突然にスーッと消えたのだ。別の次元へと旅だったのだろうか? それとも誰かに呼ばれたのか?。それとも・・・・・。 「セレーネ。君は何か・・・・・知っていないか。ツキハが何処へ消えたのか。彼は、大切な仲間だ。君に誘われた・・・。それから彼の様子が変になった。」 「あたしは知らないわよ。意味わかんない。あいつは元々変だったけどねえ。」 リカードが神妙な面持ちで、白き魔女、セレーネに尋ねた。セレーネは、裸の状態で眠りについている、チユキを抱き寄せた。まるで護るように。チユキの体、デッド・リーフに鞭打たれた背中の傷も、 ツキハの攻撃・・・・ラセツにその身を変身した時に、受けた傷も。たちどころに治癒されている。まだ、完全とは言えないが、その内に全ての傷が消えるだろう。セレーネの造り出した闇空間は、その中に入った人の傷を癒し、傷口を清らかにし、治す力があるのだ。 「あいつ(ツキハ)を誘ったのは、あたしよ。でもねえ。あいつはすぐに出てしまったわ。闇空間を。あたしが何でツキハを誘っただって?そんなの気まぐれよ。あいつが何か物欲しそうな 顔してたから。 ホントはスバルちゃんを誘って、チユキちゃんとあたしで3人で、にゃんにゃんしても良かったのよね。 フフフッ」 セレーネが、昴に、セクシーにウインクした。久しぶりの無邪気な誘惑に、思わず顔を赤らめる 昴。 アステルは、セレーネのふしだらさにあきれ、昴の純情な所に、心の中で苦笑した。 「でも、気になるのは…あたしが闇空間で…あいつ…を見たの。わからないけれど。白い影があいつをツ・・・キハを連れ去るのを。そしてあたしは怖くなって来て…・闇空間を出た。チユキちゃんと。」白い影はもしや…虚無?。
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