獣化
デッドリーフの放った言葉に、まるで呼応する様にチユキの体が震えだし、苦しそうな呻き声を発し始めた。チユキは、閉じていたはずの、血のよう赤い瞳を大きく見開き・・・・その顔は、苦痛に歪み、脂汗をかいている。どう見ても尋常ではなかった。 アステルが心配そうにチユキの顔をのぞき込み、優しく語りかける。 「どうしたの。あなた、大丈夫なの?どこか具合でも悪いの?」 チユキは、アステルの問いに答える事はなく、ただ、ひたすらに何かを体の中に抑えこみ苦しんでいる。 それを見て、デッドリーフが嘲笑うかの様に、甲高い声で怒鳴り声をあげた。 「ラセツよ。とうとう薬が切れてきただろうよ。お前の力を制御する薬が。 うひゃうひゃ。これは面白い 事になるぞおオオオォォォ-おおおおおおおおおおおお。血まみれのショータイムの始まりだあああああああああああああ」 「お前うるせぇ!んだよ!!!!」フィオナが、 デッドリーフに蹴りを入れた。腹を蹴られたデッドリーフは少しは、おとなしくなった。 「ねえ、セシエル様この子どうしたの。何か、すごく苦しんでいる。私達に救えないのかしら。」 セシエルが青ざめた顔でチユキを見つめながら言った。 「このん子んはん、今ん覚醒んしようとん、しているわん。何かん、獣ののん様なん、匂いがんするわん。」 「 獣!それって。」 「あなたんとん同じん匂いんがするわん。アステルん。でもん この子んのはんどこかん、 禍々しい、闇んのん匂いん。」 「私と?」 アステルが驚きの声をあげる。 グルルルル。少女チユキの 呻き声が、血と肉に飢えた唸り声に変化した。
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