青白い部屋の男
リカードの見た物...。それは余りにも異常で異様な光景だった。 ブロンドで長身のメガネをかけた男と例のチユキと言う少女。そして、 黒ミサに集まった人々。30人ほど。 ピシャリ、ピシャリ、乾いた鞭の音が青白い大きな部屋に響いている。チユキが ブロンドの黒い箙の男 に鞭で 背中を打たれていた。男の名はデッド・リーフ。 それを群衆が取り囲んでいた。 「何故あの時しくじったのだ。お前がヘマをしたからだ。何故あの時ナイフを落とした。わざとだろう。神聖な殺人ショーが 台無しだ。」 少女チユキは、デッドリーフの執拗な鞭の攻撃と罵りに、ひたすら 耐えていた。歯を食いしばって。 チユキの背中は、血しぶきが飛び散り ・・・・余りにも酷い。リカードは思った。幼い少女が ・・・・自分の娘セシリーと同じくらいの少女が、拷問を受けている。誰一人として助けるものがいない。いや、 むしろ匿名の仮面をかぶり、その光景を楽しんでいる顔の見えない黒い群衆。 リカードは思わず狂った様に、扉を叩いていた。これ以上、拷問を受けたなら少女は死んでしまう。 リカードの様子がおかしい事をアステルが気ずき、驚いて尋ねた。 「どうしたの。リカードさん!!。何があったの!!」 リカードは、アステルに答えず必死で扉を叩いた。何も考えずに。ただひたすらに。 「くっ 誰だ。扉を叩くのは。セバスティアン。よい。私が行く」
部屋の奥の方に執事のセバスティアンがいた。デッドリーフは扉の方に向かう。鞭をチユキの身体に打ち捨てて。青白い部屋はチユキの血しぶきで彩られていた。悪魔の様な男。 デッドリーフが鍵を解き、扉を開いた。柔和な笑顔を浮かべて。 「 おや。あなた方は?(フィオナとセレーネを見つけて)ああ、あなた方は。さっきはどうも。心より歓迎します。どうぞ 私の館にようこそ。歓迎しますよ。紳士淑女の皆さん。」
読んでいただきどうもありがとうございます。